◆木内登英『デジタル人民元』を読み解く
副題→世界金融の覇権を狙う中国。
★要旨
・中国がデジタル人民元を発行する狙いは、
人民元の国際化を進め、
米国の通貨覇権、金融覇権に対抗することにあり。
・リブラ計画がデジタル人民元の発行を急がせた。
・主要国の中央銀行が、中銀デジタル通貨の研究を本格的に始めるきっかけは、
ビットコインの登場だった。
・使い勝手の良いデジタル人民元を海外で広めれば、
人民元建ての貿易が広がるなど、人民元の国際化が後押しされる。
・世界では国境を越えた資金決済の約4割はドルで行われる。
米国がグローバル金融覇権を握っているのだ。
・中国がデジタル人民元を発行する背景には、米中の対立がある。
米国は、国際間のドル決済に用いられるスイフトのネットワークを通じて、
世界の資金情報を握れる。
・スイフトは、テロ支援国家に対する経済制裁にもしばしば利用される。
これは中国にとって大きな脅威なり。
・仮に将来、中国が米国の経済制裁の対象となり、
中国の銀行がスイフトから外されれば、壊滅的な打撃を受ける。
・この事態に備えるには、
「貿易などの取引で人民元建て契約を広げること」
「国際銀行送金以外の手段で国際決済を行うこと」
が必要になる。
・ほかの主要国でも中銀デジタル通貨の議論は高まっている。
・発行の狙いは、「民間デジタル通貨への対抗」
「ドル覇権への挑戦」など、国によって様々だ。
しかし、中国に世界標準を握られることへの警戒心は、
各中央銀行に共通している。
★コメント
デジタル通貨への進化に追いついていきたい。
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