◆玉木俊明『手数料と物流の経済全史』を読み解く
★要旨
・プラットフォームの形成には、流通経路の確保が不可欠である。
物流が重要になるのは、そのためである。
・物流とはヒトと物産の流れであり、それはヒトがホモ・モビリタスだからこそ生じたのである。
・経済活動は、賭博場に似ている。
・賭博をするためには、胴元にカネを支払わなければならない。
それが、現実の経済活動では手数料という形態をとり、覇権国に流入する。
その典型例が、
19世紀末のイギリスであった。
・覇権を握る国は、プラットフォームを提供する。
それは、プラットフォームこそ、
経済的支配権を握る枢要な役割を果たしているからである。
・プラットフォームを提供することで、
覇権を握っている地域や国家には、自動的にカネが流れる。
・手数料(コミッション)は、目に見えない。
そのため、これまでの経済史では、あまり重視されてこなかった。
・だがプラットフォームを重視する立場からは、
手数料はきわめて大切になる。
それは、覇権国が築いたプラットフォームを使用することに対し、
他国は手数料を支払うことになると考えられるからである。
・何もしなくても「手数料」を得られるシステムを構築した国家が覇権を握る。
出アフリカから現代までの「プラットフォーム」経済全史。
・覇権国家とは、何もしなくても収入が得られる国である。
・多くの国は、覇権国家が形成したシステムを使用しなければならない。
それは、いわば「ショバ代」であり、国際的な経済活動に参入するために国家はショバ代を払わなければならない。
・それが有史以来続いてきたシステムである。
そのシステムは、資本主義の形成によって明確な形をとるようになった。
★コメント
やはり、場所を握る者が、経済を制す。