◆越智道雄『オーストラリアを知るための48章』を読み解く
★要旨
・中世英語の研究者には、
オーストラリア、カナダ、アメリカなどの人間が多いという。
・ある日本人の中世英語研究者によれば、
彼がオックスフォード大学で中世英語を勉強していたとき、
「あんたの国には、立派な中世があるのに、
なぜ外国の中世なんか研究するんだ?」
と絡んだのが、オーストラリア人の研究者だったという。
・オーストラリアをはじめ、アメリカ、カナダ、
ニュージーランドなどいわゆる英語圏の新世界諸国には、
中世がなかったので、中世英語の研究者の大半が、
これらの国々から出てくるらしい。
・『カルフォルニアの黄金』で、
ゴールドラッシュのことを書いたとき、
米豪ともに土地の所有権と採掘権は、
別物とされていることを知った。
・つまり他人の土地に採掘権を設定することが
できるというのだ。
・20世紀末のメディアの怪物として
世界を股にかけて猛威を振るってきたオーストラリア人である、
ルパード・マードックは、
投機性が最大限に拡大したケースなり。
・私の知る限り、
いちばん鉱山採掘に対して寛容なのがカナダで、
米豪で出会った地質学者は、
圧倒的にカナダ人が多かった。
・鉱山や鉱山株は、
オーストラリアの基礎経済を支える点では、
「地下資源のナショナリズム」と呼ばれるメンタリティを
この国の人々の中に培ってきた。
・探鉱や採掘に関わると、カナダ人やアメリカ人でも
あっという間に、オーストラリア人らしく見えてくる。
・それだけ奥地は、人間を風土で
染め上げる威力を持っている。
★コメント
オーストラリアは、おもしろい国だ。
豪州を研究したい。