◆五木寛之『異端の人間学』を読み解く




★要旨



・英国は、ロシアは怖い国なんだということを、

いつも国民に伝えるようにしている。



・2002年から2011年までBBCで、

「スプークス」という人気ドラマがあった。

日本では「MI5・英国機密諜報部」というタイトルになっている。

後半のパートは、ソ連やロシアの脅威が取り上げられている。



・その国の人間を理解しようとするなら、

経済のデータと数字を調べて論じるのではなく、

人の顔や動きから発する生気を見る必要がある。

そういう直感を大事にする。



・何事にも表街道と裏街道があって、

肌で現実を体験せよ。

間違いもあるかもしれないが、

体験の積み重ねからできあがる経験則にウソはない。



・ロシアの賄賂の特徴は、長期的な貸し借りをしないこと。

今日、ワイロをもらったら、今日、皆で分配する。



・ソ連崩壊後のロシアは、まさに大混乱だった。

その中であの国に住んでいるロシア人、ウクライナ人、

タタール人、グルジア人、ユダヤ人など普通の人々は、

たくましく生きていた。



・スタロウェール(古儀式派)を理解しないと、

ロシアの本質は、つかまえられない。



・踊りと音楽というものは、

宗教の中では根本的に大きなものだと思う。



・宗教とお金というものは、おもしろいテーマ。

スペインやポルトガルがあれだけ貿易で稼いだにもかかわらず、

なぜ資本主義が生まれなかったのか。

カトリックの信者は、みんな最後に教会に寄進していまうから。



・カトリックが強いところだと、

儲けて蓄積したお金を投資ではなく、寄進にまわしてしまう。



・ロシアでは、食料品店の売り子でも、

詩人プーシキンの詩を暗唱している。



・ロシアでは、暗唱の習慣が刷り込まれている。



・ロシアの学生は、小学5年から高校2年まで

7冊の読本を全文暗唱する。

だからロシア人というのは、記憶力が非常にいい。



★コメント

他国を分析するにはどうすればいいか。

本書に秘密が詰まっている。