◆岩田清文『台湾有事。自衛隊最高幹部が語る』を読み解く
★要旨
・結論は、日本は軍事的にも外交的にも内政的にも、
台湾有事への備えがわずかであり、
とても対応しきれないだろうということである。
・みんなどこかで『最後はアメリカにお任せ』とおもっちゃっている。
・自衛隊元最高幹部は、中国侵攻について4段階のシナリオを描く。
中国の軍事演習とともにサイバー戦が始まり、日本と台湾が政情不安に陥る。
それに続く台湾封鎖。
そして、中国軍が台湾に上陸し、尖閣、与那国も占拠され、最後は米中頭越しによる終戦。
・現在の日本は有事法制、物理的な防衛能力、指揮命令系統、情報戦対応、
台湾・中国在留邦人の保護などあらゆる側面からみても弱点だらけである。
・ハイブリッド戦への備えが急務である。
国内なら通信施設や発電所など重要インフラに対するサイバー攻撃、
中国や台湾でなら現地の日本企業に対するサイバー攻撃、
フェイクニュース大量拡散などによる攪乱などをされた時点で何らかの反撃ができるように法整備をする必要がある。
・自衛隊が作戦を実行しようとした時、
国交がないということから、台湾と連携しようにもその枠組みさえない。
・台湾海峡危機と言っても、
そこでは必ず「台湾をどうするかという問題と、
尖閣や先島諸島に中国が来た時の我が国防衛をどうするか」という問題が混ざり合う。
・シミュレーションのシナリオは4種あり。
1、グレーゾーン事態が長期間継続する事態、
2、台湾全島が物理的かつ通信情報的に隔離される事態、
3、中国が全面的に武力侵攻する事態、
4、中台紛争の終戦工作
★コメント
日々、頭の体操が必要になってくる。