◆井川意高『熔ける、再び。そして会社も失った』を読み解く
★要旨
・3000万円の種銭が9億円に化けた奇跡。
・1日が過ぎ、2日が過ぎ、24時間、48時間と時間が経過していく。
カジノに繰り出したときの私は、丸2日徹夜するなんて当たり前だ。
「運の揺らぎ」に注意を集中させながら、ひたすらバカラに没頭し続ける。
・バカラには頭脳戦の要素はなく、運がすべてを左右する。
勝新太郎「座頭市」の世界で描かれる「丁半バクチ」と同じ単純なゲームだ。
・ギャンブラーの世界では、摩訶不思議な現象を「マジック・モーメント」(奇跡の時間)と呼ぶ。
種銭が150万円まで減って「いよいよヤバイぞ」というカタストロフィの手前に立ってから、
爆発的にグワンと揺り戻して勝ち抜く。
・ギャンブラーにゴールはない。
すべての戦いは通過地点であり、人生のプロセスなのだ。
・刑務所での食事の原価は、1日3食合わせてわずか400円だ。
安いサバ缶みたいなものと麦飯と薄味の味噌汁を食べながら、
数千万円単位のフェラーリを買う。
・ギャンブルバカは、種銭が完全になくなるか、
絶対に乗らなければいけない飛行機の時間が来るまで、
とことんやり続けてしまう。
・ドストエフスキーの古典『賭博者』は、
ルーレットに狂って破滅していくギャンブラー(アレクセイ・イワーノヴィチ)の転落人生を描く。
・大王製紙の社長や会長を務めていた当時は、月曜日の朝には必ず会社に行かなければならなかった。
金曜日の仕事が終わったあと、
深夜便でシンガポールやマカオのカジノへ繰り出す。
・父にだって、親子の情はある。
刑事裁判中、できれば息子には実刑判決を食らってほしくないと願っていた。
・いざというとき担保に使えるように、
父や弟や私が持っている関連会社の株式を、
全部ボストンバッグに入れて大王製紙総務部の金庫に保管させた。
・「井川家として借金を支払う意思があることの表明だ」と言って、
時価100億円相当の担保を大王製紙側に預けておいたのだ。
・「佐光は逆臣だ」ということがはっきりわかった時点で、
父は弟に「あのボストンバッグを取り返してこい!」と命じた。
弟が大王製紙の常務取締役から外れたのは、2012年6月のことだ。
・大王製紙としては、1日も早く創業家と手を切りたい。
井川家が持っている株式を、早いところ全部買い取りたい。
・大王製紙から井川家を排除し、自らの地位を盤石とするために、
佐光は300億円も無駄金を上乗せして会社に損害を与えた。
大王製紙の一般株主の資産を、300億円もキャッシュアウトさせ、熔かしたのだ。
★コメント
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