◆田村潤『キリンビール高知支店の奇跡』を解説します。



★要旨



・キリンが、アサヒスーパードライの波に飲み込まれつつあった1995年。

45歳の田村潤は、キリンビールの高知支店長に赴任した。

そこは、苦戦エリアだった。



・国際的なブランドビジネスで、海外で戦うにしても、

日本の地方のあるエリアで勝ち方を極めることが大事。



・とにかく、あわてず全力でやるしかない。

売上が落ちているときは、日々聞き回る。



・負け続けのときは、心の置き場を変えてみる。

一点絞りで、目標を定める。



・突破するには、単純なことを愚直に、地道に徹底する。

複雑なことをやめる。



・全責任を負って、見切り発車せよ。



・現場を歩け。

祭りや花見の翌日の朝は、必ず現場に足を運ぶ。

ゴミ袋を調べて、ビニールの空き缶をチェック。

どの銘柄が飲まれているか調べよ。



・負けている現場を訪ねよ。



・高知の井戸を掘ると、世界に繋がる。

高知で目の前の仕事を掘り下げ、地道に続けたら、

世界に通用する実行力と考え方が身に付いた。



・特別なことや難しいことをせず、

基本を徹底することで、道は開ける。

ビールの営業も、他のビジネスも同じ。



・現場主義を徹底せよ。

会議をやめて、現場へ出よ。



・現場主義を貫き、自分の頭を使って工夫すると、

少ないコストで最大の成果を呼び込める。



・NKK活動。

1時間で25軒、2時間で40軒、営業訪問せよ。

何も(N)、考えないで(K)、行動せよ(K)。

凄まじい営業訪問活動なり。



・考えたら体が動かなくなる。

まず、何も考えずに、とにかく回ろう。

そうすれば、いろんなことが見えてくる。

成果が生まれる。



・各店の訪問時間は、約10秒。

たとえば、新商品のサンプルを置く。

リーフレットをおいてくる。情報を伝える。

シンプルなことをやる。



・「どうも、キリンです。新商品のサンプルです。お願いします」

短い時間でも、接触頻度が増えれば、売り上げに繋がる。



・基本活動を突き詰め、非凡な領域までもっていったのが、NKK活動なり。

(なにも、考えず、行動する)→NKK。



・営業マンに直接電話して、いま、何が起きているのかを聞いた。

ひと言目は同じで、「最近どう?」

現場をよく回り、工夫している営業マンは、あらゆる動向にすぐ答えられる。



・基本活動を愚直に地道にやっていると、いつかそれが質を生み出してくる。

量は、質に転化する。

これぞ、累積戦略なり。



・苦しいときの変革は、地方から起こる。



★コメント

あらためて、地道力の凄みを感じた。