◆黒江哲郎『防衛事務次官・冷や汗日記』を読み解く
→副題。失敗だらけの役人人生。
★要旨
・2017年7月28日付で事務次官の職を辞し、
足掛け37年に及んだ私の防衛省勤務は終わりました。
・入庁以来数えきれないほどの失敗を犯し、
それら一つひとつから教訓を得て
次の仕事につなげてきたつもりだったのですが、
役人人生の最後の最後に
南スーダンPKO日報問題という大失敗が原因で辞職することになりました。
・入庁したてでいきなり怒鳴られ通し、
叱られ通しの1年半を過ごし、
早々に「修羅場」の洗礼を受けることとなったのです。
・その後も数限りない不出来や不始末を積み重ね、
最後はやはり南スーダンPKO日報問題という失敗で
役人人生の幕を閉じました。
・これを機に、役人人生の中で失敗したこと、
叱られたこと、
うまくいかなかったことなどを振り返り、
そこから得られた教訓を取りまとめてみることにしました。
・若い人たちが私の失敗をできるだけリアルに疑似体験することにより、
そうした失敗を繰り返すことなく、
より多くの成果を上げてくれたらこれ以上喜ばしいことはありません。
・政策、とりわけ安全保障政策などと言うと、
一般の人たちには政府という大きな組織が無機質に
決定していると捉えられているように感じます。
・しかし、その組織は生身の人間で構成されていて、
それぞれの人間が滑ったり転んだり、
踏まれたり蹴られたり、
失敗を繰り返しながらも努力を積み重ねて
政策を作り上げているのです。
・「うまく板挟みになるんだ」
「板挟みになりながら自分が泳ぐ余地を確保するのが大事なんだ」
→ 1981年4月1日の夜、初めての「社会人飲み」に誘ってくれた防衛庁の先輩上司が、
六本木のとある居酒屋で杯を傾けながら語った言葉です。
★コメント
役所仕事の泥臭さ、人間臭さが垣間見れて、おもしろい。
民間も学ぶ点あり。
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