◆江崎道朗・渡瀬裕哉『リバタリアンとは何か』を解説します。(その1)



★ポイント



・政府は常に非効率なり。

個々人の状況は、個々人が一番よく知っているのである。



・私たちの状況を霞が関の役人が、私たちよりよく知っているわけがない、ということなのだ。



・表向き良いことを言っても、「本当なのか」と厳密にチェックしていこうというのが、リバタリアンの基本的な思想である。

政府のやっていることを注意深く監視せよ。



・「環境保護」や「社会保障の充実」という名目で、規制強化と増税容認という社会主義がある。

この社会主義という国力衰退の道に進みつつある日本政治を変えるには、リバタリアンの政治哲学が必要なのである。



・社会福祉を行うためには、政府機関を多く必要とする。そのため政府は必然的に肥大化する。

そして、福祉の資金調達を名目に、国民の資産を税金と称して合法的に奪っていくのだ。



・増税を伴った福祉国家路線を歩めば、肥大化した権力に溺れる者が現れる。

社会福祉をエサに国民の私生活に干渉し、自由を抑圧する全体主義国家となっていく危険あり。



・このような危機を警告して、福祉国家の暴走に歯止めをかけたのが、1944年に『隷属への道』を発表した、フリードリヒ・ハイエクである。



・自分のことは自分でやらせるほうが社会的公正が高まる、と考えるのがリバタリアンなり。



・政府への抵抗勢力があること自体が、政府の行っていることの効率を高め、制度の公正性を守るために必要なこと。



・「経済活動は自由にやってくれ、個人の思想などそういったことにも政府は一切介入しない」というのが、リバタリアンなり。



・「最小国家論のリバタリアン」としては、ロバート・ノージックや、アイン・ランドがいる。

アメリカでリバタリアンといえば、だいたいこの考え方に該当する。



・アイン・ランドは『水源』や『肩をすくめたアトラス』といった小説を書いている。

アメリカのリバタリアンは、大体この本を読んでいる。



・アイン・ランドの作品には、社会に対する鋭い風刺・視座が書かれている。多くのアメリカ人が共感。

彼女がいなければ、リバタリアン運動は存在しなかったとも言われている。



・古典的自由主義のリバタリアンのキーワードは、公共選択論、負の所得税、自主的秩序がある。



・古典的自由主義の論者は、フリードリヒ・ハイエク、ミルトン・フリードマン、ジェームズ・ブキャナンなどがいる。



★コメント

書名の通り、リバタリアンとは何か、を理解できる。

本書を読み込むことで、基礎が学べることは、ありがたい。

繰り返し、読んでいきたい。