◆見城徹『編集者という病い』を読み解く
※要旨
・僕はつねづね、
売れるコンテンツは4つの要素を備えている、
その必要条件を満たすものは
必ずヒットすると思っている。
1.オリジナリティがあること。
2.明解であること。
3.極端であること。
4.癒着があること。
・石原慎太郎さんの小説は
いまでも僕の中で燦然と輝いている。
・短編はほとんど暗唱できるくらいに
読み込んでいる。
『太陽の季節』も『処刑の部屋』も
『完全な遊戯』もすべて若いころの僕にとっては
生きる糧となった。
・慎太郎さんの逗子の自宅は
圧倒的にカッコいい家だった。
25歳の僕は、毎月その家に原稿をもらいに
行くのが楽しみだった。
・幻冬舎設立後、すぐに慎太郎さんから電話が入った。
「今近くにいる。これから寄るぞ」
10分後に慎太郎さんが現れた。
・当時は、四谷の雑居ビルの中で
5,6人しか社員がいない小さな会社だったが、
社員を前に、慎太郎さんは
「未熟な社長だが、見城をよろしく頼む」
と言ってくれた。
→そして僕の方へ向き直り、
「もし俺にまだ役に立てることがあるのなら、何でもやるぞ」
と勇気づけてくれた。
・僕はその場で、
「裕次郎さんを書いてください」
と頼んだ。
私小説を一切書いてこなかった慎太郎さんに、
最も血のつながりの濃い弟を書いてもらうことによって、
読者の知らない、もうひとつの石原慎太郎像が
浮びあがるのではないかと
思っていたからだ。
・しかし石原さんは嫌な顔ひとつせず、
「俺もずっと裕次郎のことは気になっていた。
いつか書こうと思ってメモ書きしてある。
お前が言うんだったら、書くよ」
と言って社を後にした。
・春が生の芽生えだとすれば、
夏は、生の絶頂だ。
その生の絶頂に裕次郎さんは死んだ。
・推敲に推敲を重ねてきた『弟』を、
僕はどうしても
裕次郎さんの命日に出版したかった。
・『弟』は裕次郎さんの10回忌の日に発売され、
あっという間にミリオンセラーとなった。
・その夏を越え、幻冬舎は大きな波に乗っていく。
※コメント
波乱万丈の見城さんの本は
読んでいて引き込まれる。
人生の指針になる。