◆桝野俊明『禅と禅芸術としての庭』を読み解く
★要旨
・「禅の庭」は、禅と庭園芸術とが一体となったものである。
・近年、欧米諸国では禅が静かなブームとなっている。
空間デザインやプロダクトデザインの分野においても、
「禅デザイン」の名のもとに広がりを見せている。
・しかし、ミニマリズムという言葉をよりどころとし、
簡潔なデザインであればすべて「禅デザイン」
といわれている状態である。
禅の本質は完全に失われ、禅の持つイメージのみがひとり歩きしている。
・庭園についても、国内外を問わず、
石組みと白砂で構成された庭園は、
すべて「禅の庭」の「枯山水」という意識が人々の間に蔓延してしまっている。
誠に恐ろしい状態である。
・禅の庭や枯山水を正しく理解するためには、
禅とその歴史、禅寺の伽藍配置や塔頭などについて、
基本的な事項をひととおり理解しておく必要がある。
・「禅の庭」は元来、
禅僧が自らの修行を深めてゆくうえで理想とする環境を、
庭園に取り込んだのが始まりである。
・そしてその発達の過程で、
自らの会得した境地を庭園という
三次元の空間造形芸術に高めてゆくことで「枯山水」が生まれた。
・禅でいちばん大切にする行は坐禅である。
・したがって禅は坐禅抜きには語れない。
坐禅は姿勢を正し、一定の形式で静かに坐ることである。
★コメント
枯山水は、奥深い。深すぎる。
追究したい。