◆田中英道『聖徳太子。本当は何がすごいのか』を読み解く


★要旨


・聖徳太子の名ではなく、まず厩戸王と書いて、のちにカッコの中に、
その名を入れてもいいということですが、これは歴史的事実とは合致しません。
是非、聖徳太子のままにして下さい。


・国づくりに指導的な役割を果たした聖徳太子。
聖徳太子は日本の歴史を語る上で欠かせない最も重要な存在の一人です。


・古い日本の権威ある史料をむやみに疑う精神は、戦後の偏向した教育の風潮によるといっていいでしょう。
とくに過去のすぐれた日本人の存在や、
その行為を疑うような、権威批判の風潮がはびこるようになりました。


・最近は風向きが変わりつつありますが、
戦後七十年の大半は、西洋人や中国人の言うことは重んじても日本人の述べていることを軽んずる、
おかしな自信喪失の時代が続いてきました。 聖徳太子が実在しなかったという説は、
そんな風潮をよく表している例といえるでしょう。


・聖徳太子が示した「和」を重んじる考え方や、
外来の仏教を保護しながら、のちの神道につながるわが国古来の信仰も尊ぶという姿勢は、
その後のわが国の伝統に大きな影響をあたえました。


・聖徳太子は、すぐれた人材を確保し登用するために冠位十二階を制定し、
家柄や身分よりも、個人の能力によって役人を取り立てました。


・また、十七条の憲法をつくり、役人の心構えを説くとともに、
天皇を敬いその命令に従うべきことを定めました。
馬子と協力してこれらの改革を行い、天皇を国の中心とする国づくりをめざしました。


・また、熱心に仏教を研究するとともに、寺院の建立を進めました。


★コメント
あらためて、聖徳太子を深く研究したい。
そこに我々の生きる道がある。