◆奥山真司『副読本「目に見えぬ侵略」「見えない手」』を読み解く
★要旨
・中国共産党が民主主義諸国を「静かに侵略」している。
・その手法を余すところなく暴いた『目に見えぬ侵略』と『見えない手』の2冊は、
世界に衝撃を与えた。
・本書は、膨大な情報量と緻密な論理構成で
中国共産党の行っている工作の実態を
暴き出したこの2冊のエッセンスを凝縮し、
「副読本」の形で読みやすくしたものである。
・中国共産党は、
中国政府が望むような発言をして、
中国の利益になるよう動く「友人」たちを、
各国のエリートやリーダー層の中に多数、育ててきた。
・海外で中国の影響力を強める目的は、
アメリカと同盟関係を結ぶ国を離反させ、
経済力と軍事力で中国をアメリカを上回ることにある。
・「目に見えぬ侵略」の邦訳版まえがきに、
北京の世界戦略における第一の狙いは、
アメリカの持つ同盟関係の解体である。
その意味において、日本とオーストラリアは、
インド太平洋地域における最高のターゲットとなる、とある。
・中国は19世紀から20世紀にかけて味わった植民地化の屈辱を、
アメリカの圧倒的な経済、政治、軍事力にとって代わることで、
晴らそうとしている。
・「一帯一路」構想は2013年、
習近平が提唱したもので、陸と海のルートがある。
・ユーラシア大陸全域とアジア、アフリカ、
オセアニアをネットワークで結び、かつて繁栄したシルクロードのように、
各国と「ウインウイン」の関係を築いて経済的利益を得る。
それにより中国がグローバル化の新たな段階を開き、
世界経済のリーダーになるという構想だ。
・具体的には巨額のチャイナマネーを世界中に投資し、
中国の資金、ビジネス、そして労働力を海外に送り、
中国経済の拡大を継続する。
・港湾、空港、鉄道、道路、エネルギーネットワーク、
そして通信網など「ヒト・モノ・カネ」と
情報が行き来する要所を中国が押さえようというわけだ。
・借金と引き換えに政治や外交の場面で、
中国の要求を呑むよう迫るほか、
港湾や空港などの重要拠点を借金のカタに巻き上げる。
・経済が前面に出ているが、
その裏の軍事的な覇権も、もれなくついてくる。
★コメント
読めば読むほど、危機を感じる。
しっかり対策を立てていきたい。
★奥山真司さん監修
『「目に見えぬ侵略」「見えない手」副読本』
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