◆江崎道朗・監修『現代アメリカ保守主義運動小史』を読み解く(その2)

→リー・エドワーズ著


★要旨
(江崎道朗さんの解説)


・アメリカは、世界最大の軍事・経済大国だ。
その動向は、国際政治だけでなく、日本の政治を大きく左右する。


・よって強い関心を向けるのは当然のことだが、
意外なことに、
日本人はアメリカ政治について知らないことが多い。 


・たとえば、
日本にも自由民主党や立憲民主党、日本維新の会などがあり、その主張は大きく異なる。
同様にアメリカもまた、一枚岩ではない。


・共和党はどちらかと言うと、保守系で、
減税と規制緩和による経済振興や軍事を重視する。
その支持層は、中小企業の経営者や熱心なキリスト教徒たちだ。 


・一方、民主党はどちらかと言うと、
リベラル系で、格差是正や環境といったテーマを重視している。支持層は都市部のインテリ層、
黒人やヒスパニックなどのマイノリティー(少数派)、そして労働組合だ。


・アメリカの保守派との議論は、驚きの連続だった。
何しろ先の日米戦争についても
「悪いのは、F・D・ルーズヴェルト民主党政権だ」
というのだ。


・アメリカの「保守主義者」たちが
ルーズヴェルト「民主党」政権を批判してきたのは、
対外政策だけではない。


・民主党のルーズヴェルト大統領は一九三三年、
大統領に就任するや「ニューディール(新規蒔き直し)」と称して
「社会主義的な」政策を次々と打ち出した。


・大統領は二選までという慣例を破って、
ルーズヴェルトは戦時・有事を理由に
一九四〇年と一九四四年の大統領選にも立候補し当選した。


・かくして四選、十二年という長期政権の間に、
リベラル派の官僚・学者と巨大労組、
そしてマスコミによる「ニューディール連合」によって、ワシントンは支配されてしまったのだ。 


・この「ニューディール連合」から政治の主導権を奪い返すことが
現代アメリカ保守主義運動の目標であった。
 

・その目標が曲がりなりにも達成されたのは、
一九八一年に誕生したロナルド・レーガン大統領の登場によってであった。


★コメント
知らないことばかりであった。
とててもない知性を感じる一冊である。

 

 

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