◆竹村公太郎『日本文明の謎を解く』を読み解く(その1)


※要旨


・実は、情報を削り取ることは優れて高度な知的作業なのだ。


・多くの情報を削り取っていく。
情報を間引きしていく。
その情報の間引き作業の後に、
はじめてパワーを持つ情報が得られる。


・間引きされた情報だけが、パワーを持つ。


・力強い説明資料はトップが作る。


・世の中の99%は、クズ情報である。
このクズ情報の山から、意味のある情報を取り出す。
その情報の意味を的確に表現する。
そのことによって情報は混沌に秩序を与えていく。
良質な価値ある情報だけが、この社会で秩序をもたらしていく。


・社会の「説明責任」とは、
価値ある情報、良質な情報を提供できるかどうか、
という一点に懸っている。


・説明責任があるからといって、
ホームページにクズ情報を垂れ流せば済む、
というわけではない。


・事の本質に迫る情報は何か。
訴えたい適切な情報は何か。
その情報にたどり着くためには、情報の山を削り取り、
情報を間引きしていくことが必要となってくる。


・情報を足し積み重ねるのは簡単である。
しかし、情報の山から情報を削っていく作業は、
やる気や勤勉さでは解決できない。
情報の間引きは、ビギナーにはできない。


・情報を削るためには2つの条件が必要となる。
1つは、「専門分野に関する深い見識」。
2つ目は、「社会に関する広い知識と経験」である。


・一般に、この2つの条件を備えている者は、
その組織のトップリーダーである。


・だから意味があり価値がある情報を提供しうる能力を持つ者は、
唯一その組織のトップだけである、と断言できる。


・官庁や民間会社でも、説明責任を果たす名目で、
膨大な説明資料やパンフレットを作成し配布している。
しかし、パワーを持ったものはめったにお目にかかれない。


・その資料がパワーを持つかどうかの分かれ目は、
トップがその情報の作成に関与したかどうかにかかっている。


・トップの情報作成の関与といったが、
何か新しい情報を創るという意味ではない。


・繰り返すが、トップリーダーが、
情報を間引きしたかどうかである。
多くの情報の中から意味ある情報を選び抜き、
それを示し得たか、という点である。


★コメント
あらためて、情報の処理と加工の重要性を知った。
繰り返し、読み返したい。