◆ルトワック『ラストエンペラー習近平』を読み解く

(奥山真司さん訳)


★要旨


・軍事レベルにおいて、日本は2国間での演習などには慣れている。
それを多国間に拡大するのである。


・海上自衛隊の艦艇は、イギリス、フランス、
オランダだけでなく、ドイツの港にも寄港すべきだ。
欧州近辺への艦船の派遣や、欧州における軍事演習への参加など、
日本が「パートナー」としてのプレゼンスを示すことを、
欧州諸国は求めるようになるだろう。


・これが「海洋国家の国際ネットワーク」が中国を包囲しつつある現代において、
日本が期待されているポジションなのである。


・本書の狙いは、
「戦略のロジック」で中国を、そしてその支配者である習近平を解き明かすことにある。


・中国はきわめて巨大でアグレッシブな国家であり、
習近平はそこで独裁的な権力を行使する「皇帝」だ。
そのパワーは世界を席捲しつつあるようにみえる。


・中華人民共和国の歴史のなかでも
死ぬまで権力の座にいつづけたのは毛沢東だけである。


・南シナ海、東シナ海をはじめ、日本、フィリピン、インドネシア、
マレーシア、ベトナム、インドと領土をめぐるいさかいを繰り返し、
大規模な戦略構想である「一帯一路」ではパキスタンやスリランカの港の操業権を押さえ、
アフリカの国々を負債漬けにするなど、国外に向かっても、その影響力を拡大しようとしている。


・つまり巨大な中国はますますその強さを増している、
と多くの人は感じているだろう。 


・しかし、
「戦略のロジック」でみると、
中国はますます不安定さを増し、国際的にはむしろ弱くなっている、
と分析できるのだ。


・私の考えでは、習近平は
「強大になるほど、戦略的に弱くなる」という
戦略の逆説(ストラテジック・パラドックス)に
はまってしまったのである。


★コメント
他ではあまり、見ない中国分析で興味深い。
繰り返し読んで、本質をつかみたい。

 

 

 

 

 

 

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