◆関眞興『世界史を突き動かした英仏独三国志』を読み解く
★要旨
・「ヨーロッパ」は、カール大帝の統一によって、
キリスト教・ゲルマン人・ローマの伝統が一体化されて成立したと説明されたりもします。
そのカール大帝も、
ドーバーの彼方、イギリスは併合できませんでした。
・この本ではイギリス・フランス・ドイツの3国の歴史に焦点を当てます。
この3国は、16 ~17 世紀以降、
先行していたイタリアやスペイン、オランダに代わって、ヨーロッパさらには世界の歴史を動かしていきます。
・3国は対立や協調をくり返しながら、
独自の国家をつくり上げてきています。
・14世紀前半から始まる百年戦争も、
イングランドとフランスという国家の戦いではなく、
有力諸侯の対立だったといったほうが本質に近いでしょう。
・各国共に国王はいましたが、
彼らは諸侯の対立のまとめ役といったところで、その権力は概して小さなものでした。
・3国を中心にした中世ヨーロッパには、
3国を凌ぐ権力者がいました。ローマカトリック教会の頂点に立つローマ教皇です。
・中世のヨーロッパは英・仏・独3国に限らずキリスト教が支配する世界であり、
国王から一般庶民に至るまでその権威にひれ伏していました。
・その神の権威をじょじょに崩していったのは、
国王の権力がしだいに大きくなってきたこともありますが、
その背後で大きな意味をもつに至った、
都市の商工業者を中心とする一般市民たちが築き上げてきた経済力です。
・イギリス・フランス・ドイツを並べたのは、
この3国が16・17世紀以降現代に至るまで、
ヨーロッパという歴史的世界の中心にあり、ヨーロッパ世界を指導してきたからです。
・とはいうものの、この3国が体制を整える以前、
イタリア(分裂していましたが)・スペイン・オランダが大きな力をもっており、
3国はこれらの諸国を制圧することから始まりました。
★コメント
歴史は面白い。
見方を変えることで、発想の転換ができる。