◆内藤陽介『世界はいつでも不安定。国際ニュースの正しい読み方 』を読み解く
★要旨
・地上波メディアの報道番組では、
速報性という観点から、どうしても、
事実の推移を逐一追いかけていかざるを得ない面があり、
歴史的・思想的な背景などもじっくりと掘り下げていく余裕を
確保しづらいということもあるでしょう。
・そこで、本書では、
最近の国際ニュースのなかから、
特に重要と思われるアメリカ、中国、
中東、ロシア、トルコの話題をいくつかピックアップし、
その背景についてもじっくり読みこんでいきたいと思います。
・そもそもアメリカ合衆国という国は、
1620年、イングランドで宗教上の迫害を受けてきた人々が
メイフラワー号に乗ってプリマスに移住してきたのを皮切りに、
その後、
プロテスタントの各宗派が各地にそれぞれのコミュニティ、
すなわちステイツをつくり、
それが連合してできあがったという「建国の物語」があります。
・そこから、かつては
「アメリカはプロテスタントの白人がみずからの信仰を守るために建国した国なので、
WASP(白人、アングロ・サクソン、プロテスタント)が国家の指導層を独占するのは当然」
という考え方が常識とされていました。
・もちろん
「WASPに非ずんば人に非ず」とばかりに、
有色人種やユダヤ教やイスラム、
カトリック、仏教などを迫害するといった行為は、
非難されるべきです。
・しかし、他人の信仰に口を出すわけでもないのに、
「メリー・クリスマス」と口にすることさえタブー視される社会というのは、
やはり異常といえるでしょう。
・パンクは、
もともとは「不良、青二才、チンピラ、役立たず」
などを意味する俗語で、1970年代半ば頃、
アメリカとイギリスでほぼ同時に始まりました。
・サブカルチャーの重要な一分野であるパンクロックが登場したのは、
1974年から1976年にかけてのことと言われています。
・メキシコを中心とした
ラテン・アメリカからの不法移民・不法滞在者は、
現在、アメリカ国内に3000万人以上いると推定されています。
・それに伴い、
犯罪者やテロリストの数も急増して刑務所は常に満杯状態でした。
・不法滞在者であっても、
「人道上の理由」から、
病院で無償の診療を受けることができるほか、
その子供は教育を受ける権利が与えられ、
自治体によっては
自動車の運転免許を取得することができます。
・さらに、
彼らの社会保障に対しては、
莫大な額の税金が投入されています。
・こうした実情を目の当たりにすれば、
真面目に働いて真面目に
税金を納めている
善男善女が不満を持つのも当然でしょう。
★コメント
充実した内容と、
豊富な情報量にワクワクしてしまう。
本書を読むと、一気に頭が良くなったような気がする。
ハイクオリティな教養書である。
反復して何度も読み返したい。
★内藤陽介
『世界はいつでも不安定。国際ニュースの正しい読み方 』
の詳細、Amazon購入は、こちら↓
https://amzn.to/2PWXDBD