◆手嶋龍一『公安調査庁。情報コミュニティーの新たな地殻変動』を読み解く

→佐藤優さんとの共著。


★要旨


・インテリジェンスとは、
国家が生き残るための選り抜かれた情報である。



・国家の舵取りを委ねられた政治リーダーは、彫琢し抜かれ、
分析し抜かれたインテリジェンスを拠り所に、国家の針路を決める。


・だが、コロナ禍に直面して、
日本をはじめとする各国の政治指導者はインテリジェンスを手にしていなかった。


・今回ほど精緻なインテリジェンスを、
そしてインテリジェンス機関の必要を痛感させた事態はない。


・国家の災厄をいち早く摑む情報組織の責務がいかに重いのか、
尊い犠牲を払って我々に教えてくれたのである。 



・強権国家は不都合な真実を隠したがる。


・それゆえ、
報道統制を敷く大国の懐深くに
情報のネットワークを張り巡らしておくべきだった。


・「公安調査庁」という一般にはほとんど実態が
知られていないインテリジェンス機関を取りあげ、
本書を編もうと取材に取りかかったのは、
コロナ禍が起きる前だった。


・戦後日本の独立と軌を一にして発足したこの政府組織は、
逮捕権も持たず、
強制捜査権もなく、外交特権に守られた在外の情報要員も持たない。


・国からの予算も少なく、人員も限られており、
納税者からも存在を認められているとは言い難い。
いわば「最小にして最弱」の機関と見なされてきた。 


・だが、中国の武漢で特異な感染症が起きてみると、
幾重もの国家機密の壁を乗り越えて、
強権国家の奥深くで何が起きているのか、
その実態に迫ることができるインテリジェンス機関は、
公安調査庁を措いて他になかったのである。


・公安調査庁は、
かつてオウム真理教が起こしたサリン事件を手がけた経験を持ち、
生物・化学兵器に対する豊富な情報を蓄積している。


・世界の感染症とウイルスの専門家から
貴重なヒューミント(人的情報収集)を集めて収集・分析し、
政治の意思決定に貢献できる潜在力を秘めている。


・未曽有のパンデミックに見舞われたいま、
独自のインテリジェンスこそ、ニッポンが生き残る力となる。


★コメント
世の中は、知らないことばかりだ。
学び続けたい。


★手嶋龍一
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