◆詫摩佳代『人類と病。国際政治から見る感染症と健康格差』を読み解く
★要旨
・世界的に見れば、
未知の感染症の威力に人類が圧倒され、
あたふたする姿は今回が初めてではない。
・二〇〇二、〇三年にアジアを震撼させたサーズ(重症急性呼吸器症候群)や、
二〇〇九年に感染が広がった新型インフルエンザ、
二〇一四年に西アフリカで大流行したエボラ出血熱に対しても、
恐怖や不安による、様々な混乱が見られてきた。
・感染症と人類社会の関わりは長い。
・紀元前から現在に至るまで様々な感染症が人類社会に打撃を与えてきた。
感染症は人類を最も苦しめてきた「病」といってよい。
・今でこそ、国境を越える対応枠組みが存在するが、
古くは、それぞれの国で対応がなされていた。
・グローバル化が進む今日の国際社会では、
これからも未知の感染症や新たな健康課題が次々と発生し、
人類と病の闘いは続いていくだろう。
・このような視点に立って、国際保健にまつわる様々な問題を洗い出し、
人間の健康を確保するために必要なことは何かを検討していきたい。
・人類と病との闘いは、
保健医療という専門的な領域内のみで動いているものではなく、
大国と中小国のパワーの非対称性、
先進国の製薬会社の動向、世界経済の動向など、
国際社会の様々な要素によって、常に挑戦を受けている。
・本書はこうした問題関心を出発点として、
人類と病との闘いを、個々のテーマを通して、読み解いていく試みである。
★コメント
人類における病の歴史と、
現代の健康全般にわたり、
壮大なスケールで書かれている。
読み進めるうちに、引き込まれる。
★詫摩佳代
『人類と病。国際政治から見る感染症と健康格差』
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