◆兼原信克『歴史の教訓。「失敗の本質」と国家戦略』を読み解く


★要旨


・私は、第二次安倍政権における外政担当内閣官房副長官補として、
国家安全保障会議と国家安全保障局の立ち上げに関わり、初代の国家安全保障局次長を兼務して、
通算七年の歳月を総理官邸で過ごした。


・安倍晋三総理は、集団的自衛権行使の是認を始めとして、
戦後史に残る大規模な安全保障制度改革を成し遂げた。


・国家安全保障会議(日本版NSC)の設置は、
その諸制度改革の要の一つである。 


・その間、一貫して私の脳裏を離れなかったのは、
有事の本番で国家安全保障会議が本当に機能するのかどうか、という一点であった。


・有事においてその重責を担うのが、総理の主宰する国家安全保障会議である。


・総理が危機に際して国家指導全体を担う「脳」、
自衛隊が実際に体を動かす「筋肉」、
政府の各省庁がもろもろの「内臓」だとすれば、その結節点にある国家安全保障会議は神経を束ね繫ぐ「脊椎」である。


・有事の本番において、この脊椎には凄まじい政治的、軍事的圧力がかかるだろう。


・私は、有事においてそれがぽきりと折れるようなことがあってはならないと思い、人知れず悩み続けてきた。


・政権中枢が鋼鉄の枠組みのようにしっかりしていなければ、政権は直ちに崩壊するであろう。
そうなったら、戦前の大本営政府連絡会議と同じ過ちを繰り返すことになる。 


・国家安全保障会議は未だ生まれたばかりの組織である。


・幸いにして戦火の試練も受けていない。
率直に言って、その達成度はまだ四合目といったところだ。


★コメント
当事者の生の声は、貴重だ。
教訓にしたい。


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