◆小川和久『フテンマ戦記。基地返還が迷走し続ける本当の理由』を読み解く



★要旨


・本書の目的は、泥沼の膠着状態が続いてきた普天間基地移設問題の経緯をたどる中で、その原因について国民の前に明らかにし、心ある政治家、官僚をはじめとする関係者に、普天間問題の軌道修正と日本の民主主義の健全化を図ってもらうところにある。 


・同時に、本書は民間人の立場で普天間問題に関わることになった私、軍事アナリスト・小川和久の回想録でもある。

・書名を『フテンマ戦記』としたのは、専門家としてベストの答案を求め続けた私の戦いの記録ということによる。

・日本は、橋本、小渕、森、小泉、安倍、福田、麻生の自民党政権の後、鳩山、菅、野田と民主党政権が続き、再び自民党の安倍政権に戻った。
米国もまた、クリントン、ブッシュ、オバマ、トランプと4代の大統領が誕生した。


・その間、同時多発テロ、アフガン戦争、イラク戦争、朝鮮半島の緊張という激動する国際情勢にあって、普天間をはじめとする沖縄の米軍基地は変わることなく戦略的役割を果たし続けた。 


・そうした内外の動きの一方で、これまで述べたような普天間をめぐる動きには、様々な思惑、野心、欲望を秘めた人々が群がって、迷走に輪をかけることになった。


・返還合意から四半世紀になろうとする本書執筆の段階でも、移設はおろか、危険性の除去も、なにひとつ実現していないが、それは裏でうごめく人間の欲望のなせるわざでもあった。


・繰り返すが、
普天間問題は本質的には日本のシンプルな国内問題と言ってよい。

・その普天間問題を複雑怪奇な怪物にしてしまったのは、ほかならぬ私を含む日本国民自身である。

・米国政府の意向を必要以上に忖度するばかりで、国際的に通用する解決策を描くことができなかった官僚機構と、その無能さを放置してきた日本政治。

・かくして日本は、国民の知らぬ間に密かに内側から蝕まれていった。


★コメント
複雑な問題をいかに解きほぐすか。
学びたい。


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