◆江崎道朗『日本外務省はソ連の対米工作を知っていた』を読み解く


★要旨

・ 1917年に起きたロシア革命によって、ソ連という共産主義国家が登場した。


・このソ連は世界「共産」革命を目指して一九一九年にコミンテルンという世界の共産主義者ネットワークを構築し、各国に対する秘密工作を仕掛けた。

・世界各国のマスコミ、労働組合、政府、軍の中にスパイ、工作員を送り込み、秘密裏にその国の世論に影響を与え、対象国の政治を操ろうとしたのだ。 


・そしてこの秘密工作に呼応して世界各地に共産党が創設され、
第二次世界大戦ののち、東欧や中欧、中国、北朝鮮、ベトナムなどに「共産主義国家」が誕生した。

・その「秘密」工作は秘密のベールに包まれていたが、
その実態を示す機密文書を一九九二年にロシア政府自身が公開したのである。



・ルーズヴェルト政権下でソ連・コミンテルン、
米国共産党のスパイがどの程度大掛かりな秘密工作を繰り広げていたのか。


・その全体像を提示しているのが、戦前の外務省が作成した、この『米国共産党調書』だ。


・ある意味、「ヴェノナ文書」に匹敵するぐらい、衝撃的な内容がここには記されている。 


・あの外務省が、コミンテルンや米国共産党に関する詳しい調査報告書を作成していたと聞いて驚く人もいるかもしれない。

・しかもその内容たるや、スパイ映画顔負けのディープな世界が描かれている。 


・「戦前の日本外務省や内務省もなかなかやるではないか」という感想を持つ人もいれば、
「これは本当に日本外務省が作成した報告書なのか」と絶句する人もいるだろう。 


・どちらの感想を持つにせよ本書を読めば、
戦前の日本のインテリジェンス、特に調査・分析能力は優れていたことが分かるはずだ。 

・同時に、その調査・分析を、
戦前の日本政府と軍首脳は十分に生かせなかったこともまた指摘しておかなければならない。

・対外インテリジェンス機関がいくら優秀であったとしても、
その情報・分析を政治の側が生かそうとしなければ、それは役に立たないのだ。


★コメント
あらためて、
情報力とは何か、
考えさせられた。
繰り返し読み込みたい。


◆江崎道朗
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