◆川口マーン恵美『そしてドイツは理想を見失った』を読み解く

★要旨

・いずれにしても、ドイツと中国の結束は固い。

・ときにドイツは中国を
「経済国家主義」などと批判するが、
これはある意味で、少々批判しても深刻な影響が出ないほど、両国の関係
が安定してきたということかもしれない。

・中国マネーと中国市場の威力はつとに大きく、
ドイツ人は抗えないし、
いまのところ抗うつもりもない。

・独中関係は、
互いに発展できる相手と見るうちは、
これからも蜜月状態が続くだろう。

・一帯一路からアフリカ、インドまで含めて、
両国の展望は、
明るい未来につながっている。

・もちろんほんとうにそうなるかどうかは、
まだ誰にもわからないが、
そんなことは気にしないのが、
この両国の強さの所以である。

・ドイツと中国の関係は、
どこか狐と狸の壮大な化かし合いに似ている。


・ドイツ人は、
とても底力のある人たちだ。

・もし、地球が突然、
氷河期のように寒くなったり、
感染病のパンデミックに見舞われたりして、
人類が危機に陥ったなら、
日本人は滅び
ドイツ人は生き延びるような気がする。

・逆境になって初めて
本領を発揮する原始的な生命力
のようなものを、彼らはもっている。

・日本人のもつ繊細さと、
まさに真逆な特質といえるか
もしれない。

・ドイツ人のしぶとさと、日本人のひ弱さ。
私は、そのどちらも嫌いではない

・ドイツは、
イギリスやフランスほどの階級社会ではないが、
日本ほど無階級な社会でもない。

・上層にはきわめて優秀な人たちがいて、
陰に陽にドイツを誘導している。

・そして、中層をなす大勢の人たちが、
真面目に働き、
誘導された方向にドイツをしっかり
牽引していくという構図だ。

・これがうまく機能して、
戦後の瓦礫のなかから強い国家が育った。


・そのドイツが、
最近、なんだかおかしい。

・みなが「民主主義」やら
「人権」を語りすぎる。
政界でも、メディアでも、そして巷でも、
現実離れした理想が滔々と語られる。

・そのくせ、
いや、そのためにかえって
「言論の自由」が抑圧されている気がする。
だから、最近のドイツはなんとなく息苦しい。

・社会的な制約はどんどん外されていくのに、
政治的発言においては、縛りが増えた。


★コメント
さまざまなお国柄が知れて面白い。

★川口マーン恵美
『そしてドイツは理想を見失った』
の詳細、Amazon購入はこちら↓




★島崎晋
『覇権の歴史を見れば世界がわかる』
の詳細、Amazon購入はこちら↓