◆太田尚樹『満洲帝国史。新天地に夢を託した人々』を読み解く
★要旨
・並みの秀才官吏と違ってスケールが
大きい岸信介は、
とにかく人付き合いがよかった。
・自身は、
「天子様とお殿様以外の人間とは、
口げんかなら負けん」が
口癖の母親譲りでプライドが高かった。
・反面、
たとえどんな相手であろうと
気楽に付き合った。
相手は軍人,財界人に限らず、
芸能人との付き合いもあった。
・果ては胡散臭い満洲浪人から
右翼やヤクザまで、
会いにくれば秘書任せにせず、
時間を割いてでも会った。
・面倒見がよかったことも、
岸が広い人脈を持つことが
できた要因になったが、
人はそれがないと付いてはいかない。
・実際若い頃も、戦後になっても、
人が相談に来れば、
就職の世話でもなんでもした。
・満洲で築いた人脈が
戦後の政治家時代に生きたのも、
ひとえに面倒見のよさにあった。
・満洲の「陽」の部分だけでなく、
阿片がらみの「陰」の世界まで
手を染めた岸だったのに
まわりは貝のように口をつぐんだり、
岸を庇い通してしまった。
・岸をめぐる人脈に見えてくるのは、
仕事を離れたところの人間関係構築が含まれ
それには夜の世界が付いて回った。
・若き商工省時代から、
仕事が終われば新橋、築地に
円タクや人力車で乗りつけた。
・新京時代は単身赴任のうえに、
遊興費がふんだんに使えたから、
お座敷通いに滑車がかかった。
・もともと宴席が好きで
座をもたせる名人だったが、
「岸さんは、酒と女が凄かった」は
彼を知る人間たち共通の回想である。
・満洲を体験した人間たち共通する感慨は、
空と大地の広さ、
そして人の大きさである。
・何事にも通じるそのスケールの大きさが、
彼らを引き付けたが、
時代が閉塞していた当時は当然ながら、
現代のわれわれにもわからぬことはない。
★コメント
さまざま歴史の舞台裏に
ドラマがあったようだ。
研究したい。
★太田尚樹
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★渡辺惣樹、訳。
『コールダー・ウォー。ドル覇権を崩壊させるプーチンの資源戦争』
マリン・カツサ、著。
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