◆田中淳夫『絶望の林業』を読み解く(その1)

 


※要旨


・時折、私のところにメディアから取材依頼、
あるいは出演依頼が舞い込むことがある。
テーマで増えたのは、
林業を取り上げたいというものだ。


・日本の山は宝の山になった。
また田舎暮らしのライフスタイルが見直され、
山村の仕事として林業に参入する若者も増えた。
女性でも林業を目指す人が増えて
「林業女子」と呼ばれている。
取材主のメディアは、こうした事例を並べられる。


・なかなかよく勉強している。
林業に関する最近の動きは事前に調べてきたようだ。
林業は産業として前途洋々、、、
という記事や番組をつくりたいらしい。


・そこで私が知る範囲の現状を話す。
すると、肝心の出演依頼は消えてしまう。
コメントとして使われない。
番組が描きたかった「宝の山」の絵が
描けなくなってしまうからだろう。


・日本の林業の抱える問題を
一つひとつ確認していくと、
前途洋々どころか絶望してしまう。


・そこで思いついた。
現状を俯瞰して絶望するのなら、
その絶望をしっかり記すべきではないか。
そのうえで現在とは遊離した
「希望の林業」を描けないか。


・私なりに理想の林業形態はある。
それに近い事例もある。
ただし時代を遡ったり外国だったり、
あるいは数少ない林業家が強い意志をもって
挑戦したりしている事例だ。


・目標となる「希望」を提示することで、
そこまでの道筋を考える契機になるかもしれない。


・木を売らなかった山村経済。


・日本の山村がみんな林業地だと思うのは誤りである。
地域によっては気を売らない森林利用を行っていた。


・たとえば江戸時代なら、
たいてい焼畑などの山間農業と
山菜や木の実など森の幸の採集、
渓流の魚や獣の捕獲などで食料を確保し、
ほとんど自給自足だった。


・現金収入は、余剰な食料のほか、
薪や木炭を採取製造し、
里まで売りに行って得るのだ。


・木材を伐り出すこともあったが、
それは非日常的な仕事だった。

 

 

※コメント
やはり様々な情報に当たらないと、
特定のテーマや産業を理解することは
できないようだ。
深い洞察と幅広い視野を意識したい。

 

★田中淳夫『絶望の林業』
の詳細、amazon購入はこちら↓


https://amzn.to/2IPh9Kf

 

 

★北康利
『胆斗の人。太田垣士郎:黒四で龍になった男』
の詳細、amazon購入はこちら↓


https://amzn.to/2MmPoJM

 


◆まぐまぐメルマガ『国際インテリジェンス機密ファイル』ご案内。
ご登録はこちら。

 

http://www.mag2.com/m/0000258752.html


世界のインテリジェンスに関する公開・非公開情報をお伝えします。