◆内藤陽介『チェ・ゲバラとキューバ革命』を読み解く
(副題:ポスタルメディアで読み解く)
※要旨
・心理学者メラビアンが提唱した「メラビアンの法則」によると、
人が誰かと出会った時には、
視覚情報、聴覚情報、言語情報の3要素から判断するという。
視覚が55%、聴覚が38%で、
その合計は92%だ。
竹内一郎の『人は見た目が9割』の書名のとおりである。
・メラビアンの法則が
人間関係のすべてに有効かどうかはともかく、
一定の成功を収めた政治家や革命家は、
多くの場合、その民族にとって「良い顔」をしている
ケースが多いように思う。
・歴史的な事実を冷静に観察すれば、
革命家としては失敗続きで、
人格的にも多くの問題を抱えており、
ほとんど「詐欺師」に等しい人物でしかない孫文が、
中国・台湾で「国父」の地位を獲得しえたのは、
数多くいる革命家の中で、
彼が眉目秀麗だったことが大きい。
・そうした「見た目」を武器として
一時代を築いた政治指導者という点でいえば、
やはり、かつてジョン・レノンに
「世界で最もカッコいい男」と評された
エルネスト・チェ・ゲバラを外すわけにはいくまい。
・ゲバラについては、
主要著作について邦訳も複数のバージョンがあるし、
日本語文献も多いので、
単純な切手絵巻として、「チェ・ゲバラとキューバ革命」を
まとめるのであれば、
分量としては400字詰め原稿用紙で300枚程度、
日数としても半年程度でまとめられると
軽く考えていた。
・2017年末から作業を開始すれば、
2018年6月のゲバラ生誕80周年の
タイミングにも十分間に合うものと思っていた。
・ところが、実際に作業を始めてみると、
ゲバラの足跡や「ゆかりの地」は、
世界中のあらゆる国・地域に及んでいること、
また、キューバ革命政権が
ラテンアメリカやアフリカの革命や紛争にも
深くかかわっていることを、あらためて思い知らされ、
ゲバラという対象の奥の深さに
驚かされ続けることになった。
・その結果、原稿の分量は、
当初の予定をはるかに超過し、
2018年が過ぎて2019年1月まで、
1年間以上、海外出張中の期間を含めて、
ほぼ毎日、なんらかのかたちで
本書を作業する「ゲバラ三昧」の
生活を送ることになった。
・ゲバラ本人は左翼コスモポリタンであり、
生前、自分がアイルランド系であることを
特に意識していた形跡はない。
・だが、彼の死後、父・エルネストは、
「私の息子にはアイルランドの『反逆者』の血が流れている」
と語っていた。
・実際には、
革命家としてのゲバラの人格形成には、
アイルランド系の血を引く父エルネストではなく、
母親のセリアの影響が大きかったとみられている。
※コメント
ゲバラを切手の視点で考察するということは、
とても興味深い。
革命家は顔が大事、というコンセプトは、
腑に落ちる。
なかなか気づかないが、
いわれてみれば、その通りと思われる。
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