◆フーバー大統領『裏切られた自由:下巻』を読み解く
(副題:フーバー大統領が語る第二次世界大戦の隠された歴史とその後遺症)
編者:ジョージ・ナッシュ。
翻訳:渡辺惣樹
※要旨
★訳者あとがき。
・「肩の荷が下りた」
これが本書の翻訳作業を終えた時の感慨であった。
・編者であるジョージ・ナッシュも言っているように
本書は歴史修正主義に立つ歴史書の傑作である。
・アメリカの元大統領ハーバート・フーバーと、
対日宣戦布告を議会を代表して容認した
共和党の重鎮フィッシュが、
戦後そろって歴史修正主義に立ち、
フランクリン・ルーズベルト大統領の外交を
厳しく批判している。
この事実はあの戦争を考えるさいに
決して無視することはできない。
・歴史観は読者が自らの頭で考えながら
醸成するものである。
・現在主流の歴史観は、
第二次世界大戦後に構築された国際連合による
集団保障体制を是とする「リベラル国際主義」に
立脚している。
・「リベラル国際主義」を正しいとする歴史家に
お願いしたいのは、
重要な事件を隠さないで堂々と論陣を張って
いただきたいということである。
・たとえば英仏両国の対独宣戦布告の理由は、
ドイツのポーランド侵入であった。
両国がポーランドの独立を保障していたからである。
それでは、なぜドイツの侵入に続いて
同国に攻め入りその東部を占領したソビエトには
英独が宣戦布告しなかったのか。
・リベラル国際主義は
共産主義とも通底する思想だからである。
フーバーは「ルーズベルト神話」作りの
スケープゴートにされたのである。
・フーバーはそうした策謀に挫けなかった。
20年余の歳月をかけて本書を完成させた。
彼は誠実であるがゆえに完全主義者でもあった。
・推敲を繰り返し、
新しい史実が発見されるたびに資料を追加した。
フーバーは他者への批判に抑制的でもあった。
それだけにそうした人物が生きているうちに
本書を発表するためらいがあった。
・フーバーは、第一次対戦が勃発するころには
すでに十分な資産を築いていた。
鉱山事業の成功による。
ロンドンで鉱山コンサルティングの会社を
経営していた彼の人生は、
大戦の勃発で180度変わった。
・ヨーロッパ大陸から続々と逃げてきた
アメリカ人同胞の帰国支援事業を
妻のルーと開始した。
この時から彼の人生は公的なものに変貌した。
十分に富を得た彼の母国への恩返しの
人生が始まったのである。
まさにクエーカー教の教えの実践そのものであった。
・フーバーが政治の世界に入ったのは
1921年のことである。
前年の大統領選で勝利したハーディング大統領より
商務長官に抜擢された。
つづくクーリッジ政権でも
引き続き商務長官を務めた。
・1928年には共和党大統領候補に推されて
選挙に勝利し第31代大統領となった。
※コメント
いままで、あまりフーバー大統領のことを知らなかった。
しかし、このような魅力的な人物がいたことに
学ぶ喜びを知った。
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