◆福冨健一『南十字星に抱かれて:BC級戦犯の遺言』を読み解く(その2)

 

※要旨


・東京、神田の岩波ホールを水道橋のほうに
少し入ったところに、馴染みに古本屋がある。
学生の頃そこで『世紀の遺書』を買い求め、
本屋の主人が「郵送しようか」
というのを断りその晩夢中で読んだ。


・『世紀の遺書』はBC級戦犯裁判で
刑死した方々の遺書を綴った800ページにもなる
分厚い本である。


・本を開くと中国、蘭印、ビルマ、
マレーなど裁判の行われた地域ごとに
タイトルが付してあり、
豪州のタイトルが「南十字星」である。


・「南十字星(豪州)」と
書かれたページを一枚めくると、
「南十字星のもとに」という
美しいタイトルの遺書が綴られている。


・29歳の海軍主計大尉であった
後藤大作青年が両親宛に書かれたものである。


・筆者はこの遺書を読んで滂沱の涙を流した。
鮮烈な衝撃を受け圧倒された。
この逞しくも純粋な後藤青年の遺書は、
人の魂を揺さぶる不思議な力をもっていた。


・この力もしくは覚悟はいったい
どこからくるのであろう、
それが知りたかった。


・後藤青年の遺書は父や母、家族や郷土、
祖国への燃えるような情念であり、
そこには二度と父や母、兄弟と円卓を囲んで
賑やかな食事はできないと覚悟を決めたかの如き、
死と向き合う強靭なリアリズムがある。
遺書はまさに詩人の魂へと昇華している。


・後藤青年の想いもしくは情念を
何とか我々の子どもたちに
伝えることはできないだろうか。


・筆者は仕事上、多くの政治家たちと
憲法問題や教育基本法、有事法制などを
論議してきた。
特に有事法制の研究は30年以上も
続けてきており、それに関する資料の集積は
日本一だと自負している。


・しかし、このような論議の場で
痛切に感じることは彼らの歴史観の曖昧さである。


・憲法や国の根幹を決定する法律を論じるには、
歴史観の共有が不可欠である。
こういった想いが筆者を
本書の執筆に駆り立てたのである。

 

 

※コメント
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