◆福冨健一『共産主義の誤謬:保守政党人からの警鐘』を読み解く(その2)
※要旨
・実際、巷間見かける共産党の批判本は、
思想にまで踏み込んだものは少ない。
その理由は簡単である。
普通の人は、
共産党関係の文献を読んでいないからである。
そもそも日本共産党の「綱領」さえ
ほとんどの人は読んでいない。
・河合栄治郎は、
「カントなりヘーゲルなりの哲学は
非常に精緻であり、微妙なものであり、
理解が困難である」
としている。
・それゆえ、河合は
「マルキシズムに引き入られる学生は、
科学に対する非常な憧憬を持っている」
と、
カントやヘーゲルなどの哲学の魅力が
マルクス主義に若者を引き付けていると
分析する。
・筆者が、民社党、民主党、自民党の
政務調査会を務めて感じることは、
かつては政治や政策を志す人は
保守主義や社会主義の歴史について
当然のように学ばされた。
・保守主義はフランス革命によって誕生した。
・かくて教養は人生における戦いである。
・河合の門下で都立大教授であった関嘉彦も
自由や民主主義を維持するには、
「時と場合によっては生命を賭してでも、
それら価値の擁護のため闘う覚悟を持つことが
必要である」
と、説いている。
・河合や関の膨大な文献の一端を読んでいくと、
両者の教養、思想への見識の広さと深さに
感動させられる。
・関の凛とした姿は、無造作な髪形の外見を超え、
他を包み込む思想家としての偉大さ、
教養の深さを感じさせた。
眼光は自由と民主主義を守る覚悟を
感じさせた。
・真の思想や教養とは、
心の奥に覚悟を呼び覚ますものなのであろう。
・かつて筆者が関のもとで
わずかではあるが、
J・S・ミルの「自由論」などの講義を聞き、
歴史や思想史を学んだことは、
今も宝である。
・この教養の深さ、覚悟の差が、
日本と西欧諸国の共産主義、
共産党への対応や政党政治・民主主義、
大学、大学院での社会科学の差に
なっているのではないだろうか。
・本書では、共産主義や共産党綱領を
多くの方々に知って頂くため、
共産党独特の国家死滅論や
民主集中制などの用語を解説した。
・次に、史的唯物論や剰余価値論を紹介し、
マルクス・レーニン主義の誤り、
思想の誤りを指摘した。
・その国の自由や民主主義が永続するには、
一人ひとりが政治の傍観者とならず、
自由や民主主義のために何が貢献できるか
考えることが不可欠である。
※コメント
やはり良い先生に学び、
膨大な良質な文献の読み込みは
欠かせない。
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