◆弓削達『ローマは、なぜ滅んだか』を読み解く
※要旨
・ローマの歴史家サルルスティウスは言った。
「すべて生まれたものは死ぬ。成長したものは老いる」
これは人間の歴史における公理である。
・ローマは、世界史上まれにみる長年月の間に空前絶後の大帝国を建設し、
かつそれを、これまた比類のない長い年月の間、維持発展させることができた。
・すべての道はローマに通ず。
帝国支配によって地中海世界を小「世界」としてまとめ上げるに当たって、
最も直接的な役割を果たしたと思われるものは、道路網の整備である。
・ローマへの街道は、ローマ帝国滅亡後も劣悪な補修にもかかわらず、長く使用されつづけた。
ローマ帝国の属領にたっているかつてのローマ時代以来の都市は、
これらの街道網で相互に結ばれ、またローマ市とも固く連結されていた。
これがローマ帝国の支配の維持だけではなく、
ギリシア・ローマ・オリエントの文化の東西への伝達にも大きな役割を果たし、
情報の媒体の役割も想像以上に大であったことを忘れるべきではない。
・ローマが支配下においた諸民族の中にローマより進んだ文化を持っているもの少なくなかった。
・少数の巨大富豪から、さらにかけはなれて高いところに屹立するものが、帝国最大の富豪たる皇帝であった。
皇帝は、エジプト全土を私有地として支配したほか、帝国全土に散在する農地、鉱山、工場などを皇帝領として所有した。
・食卓の贅沢が精神を堕落させる。
セネカは言う。
「牡蠣とキノコとは生涯断つことにした。これは食事ではない。満腹している者にまだ食えと強いる道楽にすぎない」
・地中海を用いての海上輸送費は、陸上輸送費とは比べ物にならないほど安かった。
人間の生存のための基本的な大量の穀物生産は、その風土的条件の故に、
ギリシア・ローマの世界では、エジプトやアフリカなど一部に偏在していた。
・平和が独立と自由の精神を失わせる。
タキトゥスは言う。
「平和とは、狂暴性をやわらげ、不精の心をつくり出し、勇気と独立と自由の精神を失わせる」
・ローマ人にとって、ローマの没落を決定的に印象付けた衝撃的な事件は、410年のローマ市陥落であった。
※コメント
ローマの盛衰を学ぶことは、いまの日本にも大切だ。
どんな栄えた国も、やがて衰退する。
いかにそれを遅らせるか、また復活させるかは、
その国の国民次第であることを痛感する。
★弓削達『ローマは、なぜ滅んだか』
の詳細、amazon購入はこちら↓
◆まぐまぐメルマガ『国際インテリジェンス機密ファイル』ご案内。
ご登録はこちら。
http://www.mag2.com/m/0000258752.html