◆江崎道朗『日本は誰と戦ったのか。コミンテルンの秘密工作を追及するアメリカ』を読み解く
※要旨
・アメリカでは機密文書などの情報公開に伴い、
近年、日米戦争を含む近現代史の研究が進んでおり、
これまでのような単純な日本悪玉論に
異を唱える知識人が増えてきている。
・コミンテルンとは1919年、
ロシア共産党のレーニンが創設し、
1943年まで存在した、共産主義政党による国際ネットワーク組織のこと。
そのネットワークは戦後も形を変え続けてきた。
その目的は、世界各国で資本家を打倒して共産革命を起こし、
労働者の楽園を作る、というもの。
・国際政治というのは、
複数の国々の思惑で動くものであり、
日本だけに「責任」があるかのような議論自体が無意味だ。
・わが国では、戦前の日本政府や軍部を非難するだけで、
ソ連・コミンテルンとの「インテリジェンスの戦いで敗北した」
という痛苦な反省がない。
・しかし、インテリジェンスの戦いは今なお、
ロシアや中国共産党政府、そして北朝鮮との間で続いる。
・アジア独立を支援する立場から戦時中に
「インド国民軍」創設を支援し、
インド独立のきっかけを作った藤原岩市や、
インドネシアやマレーシア、ミャンマー独立を支援した
金子智一、奥田重元、中島慎三郎たちがいる。
→彼らは戦後、民間人でありながら岸信介首相の下で、
アジア諸国との国交樹立「秘密」交渉を担当した。
それだけでなく、福田赳夫総理や安倍晋太郎外相らのもとで
ソ連や中国による「革命の輸出」に対抗し、
対アセアン秘密交渉を担ってきた。
・私もこれまで外国の情報将校たちと付き合ったことがあるが、
スターリンの秘密工作や、
現在の米中関係の基礎となっている
アメリカのニクソン・キッシンジャーと
中国共産党の毛沢東、周恩来との交渉の歴史など
知らないままでは、外国のインテリジェンス専門家たちと
まともに議論することもできない。
・本書を読めば、国際政治、戦争というものは
軍事や外交だけでなく、インテリジェンスの戦いでもあることが
おわかりいただけるかと思う。
※コメント
インテリジェンスと歴史は密接につながっている。
それを理解することにより、
国家と教養のレベルアップにつながる。
★江崎道朗
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