◆田端信太郎『ブランド人になれ!』を読み解く
※要旨
・とにかく量をこなせ。量が質を生む。
・難しいことはいい。まずは呪文のようにひたすら量をこなせ。
矛盾することを言うようだが、お客様などいなくてもいいから、
最初はとにかく量をこなすのだ!
・たとえば、
世界で最も有名で成功した最高のブランド人達によるバンドであるビートルズにも、
ひたすら量をこなした下積み時代があった。
・「質を追求するな。量をこなせ」
新人のうちはこの言葉に尽きる。
結果的にNTTデータは2年で辞めることになるわけだが、
千本ノックのように大量の仕事をアウトプットし続けたあの2年間の経験は、
ビジネスパーソンとして自分にとって本当に貴重な時間だった。
・ビートルズのハンブルク下積み時代も2年だ。
MBAを付与するビジネススクールや、
弁護士になるためのロースクールの修習期間も2年だ。
・つまり、20歳を過ぎたような大人に対して、
プロとしての基礎を形成するために、
必要な育成期間は2年というのが世の中のスタンダードなのだ。
・限界を超える仕事をし続ければ、
振り返ったとき確実に自分のキャパは広かっている。
・「圧倒的努力で、大量の仕事をこなす」。
これしか、ブランド人の階段を登り続けるための体力はつかない。
千本ノックを2年も続ければ、
人は誰だって己のリミッターがハズれ、突破力を身につけられる。
・2年間でいいのだ。集中的に自分の殼をやぶって、
ブランド人としての基礎体力づくりのために、
筋肉痛になろうが、仕事の筋トレを続けろ。バットを振れ。
走りこめ。
電話をかけろ。
メールを送れ。
パワポを書け。人前で話せ。
・武士は打ち首。サラリーマンはノーリスク。
・先ほど紹介したとおり、
僕がリクルートでフリーマガジン「R25」を
立ち上げたのは27~28歳の若造時代のことだ。
年間予算規模約20億円での全く新しい企画だけに、
いろいろな人が、プロジェクトの意義や実現性にイチャモンをつけてくる。
・「ここまで自信たっぷりに企画を通したのだから、
『R25』が大失敗したらもうオレは会社にはいられないな」と思った。
だが、そこでハツと気づいたのだ。
おい待てよ、たとえ「R25」がズッコケて、
億単位の巨額の損失を出したところで、
「給料を全額返還せよ」と迫られるわけではないじやないか。
・責任を取るといっても、
せいぜい会社をクビになるくらいだろう。打ち首に比べれば、かすり傷だ。
・僕は気が付いてしまった。
実はサラリーマンこそ、ギャンブルし放題なのだ。
君が今サラリーマンをやっているのならば、
「会社の持っている資産を利用させてもらいながら、自分なら勝てるはず!
と思うギャンブルに挑む」という最高すぎる特権を生かさない手はない。
・個人としてスポットライトを浴び、
一大プロジェクトを立ち上げたあと、
万一プロジェクトがズッコケてしまったとしよう。
なーんの問題もない。
・悪意をもって会社に損失を負わせたわけでなければ、
君の失敗は会社の財産になり、
君自身の経験に変わる。
・せっかく組織という強固な後ろ盾があるのだ。
「オレには失うものは何もない」と居直り、どんどんギャンブルしてしまえばいい。
「サラリーマンはノーリスク」という特権を利用しながら、
君もブランド人としての箔を今日から重ねていこうではないか。
・Tさんは営業一筋で根っからの営業マンなのだが、
プロゴルファーなみにゴルフがうまく、
人間味あふれる性格でお客さんと部下から本当に愛されていた。
・だから、期末に「あと3000万円ほど目標まで数字が足りない」と、
かつての部下たちがピンチになると、
電話一本で「ゴルフの弟子筋」にあたる広告主の偉いオジサンから
大きな仕事を受注してくるのだ。
・「俺は仕事はしない。仕事はしないが責任は取る。
責任を取るのだけが俺の仕事や!
俺のハンコは、机のこの引き出しに入っているからテキトーに押しといてエエよ」。
これがTさんの口癖だった。
・社内で役員向けの報告会議で
「この営業進捗の状況で成功するのか?」と
厳しく迫られて僕が窮地に陥っているとき、
Tさんはほとんど、大ぼらに近いハッタリを利かせ
→「20年近く営業やってきて、
四半期ごとの目標達成率90%近い実績の僕がついてるんで大丈夫です!
役員の皆さんは僕を信じないのですか?」
とまで言い切ってくれた。
→帰り道「あんな大風呂敷を広げて大丈夫なんですか?」と心配する僕に、
「イザとなったら俺がクビになればええんだろ。
そろそろ本気でプロゴルフアーになろうかと思ってたから、丁度エエわ。
だから、お前らは心配するな。
内向きの言い訳仕事にエネルギーを使うなよ!」
と背中をグツと押してくれた。
・このときほど、僕は上司の言ったことに心が痺れた瞬間はない。
・リクルートで僕の味方になってくれた上司はTさんだけではない。
現リクルートホールディングスの社長の峰岸さんも、
僕をサポートしてくれた。
【R25】創刊の過程は順風満帆だったわけではない。
・30~40分ほど
「こんなもんうまくいく訳ねえだろ!
そんな負け戦になんで俺らが協力しないとアカンのだ!」
と別部門の担当役員から怒鳴られまくったこともある。
・そんな打ち合わせを終え、
プロジェクトメンバーで下を向きながら日比谷の路上をトボトボ歩いていると、
峰岸さんが僕に言った。
「オマエら、あそこまでメチャクチャに言われて悔しくねえのか。
オレは悔しい。
このプロジェクト、オレが責任をもって絶対うまくいかせるからな!」。
「R25」創刊を夢見る僕の無謀な熱狂が峰岸さんに伝染し、
スイッチがオンになっだ瞬間だった。
・「よし。これでポイント・オブ・ノー・リターンを越えた」。
僕は武者震いした。
それ以来、週一の進捗報告ではなく、
毎日夕方には常務である峰岸さんが平社員である僕の携帯に電話をかけてきて、
「今日は幾ら広告が売れたんだ?」
と報告を求められた。
たった一人の熱狂は、やがて周りに伝播する。
・さて、業界人が集まる勉強会やカンファレンス、
トークイベントから声がかかるようになれば、
君もブランド人の仲間入りだ。
・何が虚なのか、何か実なのかなんてはっきりしていない。
むしろハッタリをかましているうちに、
ハッタリが本物に様変わりしてしまうのだ。
そう、虚と実はお互いに追いかけっこをしているものだ。
・最初は自分が思っていることをうまくしゃべれないかもしれないが、
場数さえこなせば誰だって話し上手になる。
そして何より、人前で話すことほど勉強になる訓練はない。
・誰にでもわかりやすく話をし、なおかつ人々の心に熱狂を灯していく。
アウトプットをしなければいけない状況に追い込まれれば、
人はそのレベルに追いつこうと、
学び、成長するものだ。
・しかし「英語は得意だ!」とハッタリをかまし、
英語プレゼンの場に出たり、
外資に転職してしまえば、
どうにか英語をマスターしようと努力し、実体が追いついてくる。
・現地、現物、現場を体感せよ。
・限界までカネを使え。
・若い起業家への投資に回す。未知なる経験をする。バカ高いアートを買ってみる。
思いっきり使えば、回り回っていずれブーメランのようにカネは戻ってくる。
ZOZOの前澤社長は「カネは使えば使うほど増える」とも言っている。
※コメント
一文一文に魂がこもっている。
血が噴き出すような、熱を感じる。
やる気が、出てきた。
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