◆猫組長『アンダー・プロトコル:政財暴一体で600億円稼いだ男の錬金哲学』を読み解く

 

 


※要旨


・莫大な金の動きは人間の感情とは無縁に
こうしたプロトコルに従って行われる。


・無乾燥なテキストが表す本当の意味を知るには、
その裏側にある政治や暴力のテキスト、、、
「アンダー・プロトコル」の理解が不可欠である。


・元経済ヤクザとして株式投資、国際金融、石油などで
ビジネスをしてきた私だが、引退後もやはり、
国内外を舞台にしたマネーゲームのプレイヤーとしての
日々を送っている。


・海外の投資集団が思い描く日本の価値は、
メディアなどの作った虚像とはだいぶ違う。
世界における日本のナショナルバリューは圧倒的なのだ。


・ナショナルバリューとして見逃してはならないのが、
この国中に張り巡らされた電気・水道・ガス、
高速道路などのインフラだ。


・「夜中に女性が一人で歩ける」
「財布を落としても現金ごと戻ってくる」
などこれほど高いセキュリティが保たれながら、
ほとんどすべての労働者が高等教育を受けていて、
ほぼ終日に近い時間帯で公共交通機関が稼働している国を私は知らない。


・世界でも稀な「国家の価値」は技術や制度というよりは、
文化や伝統を背景にして成立していると言えるだろう。


・歴史とは価値である。


・経済規模ではフランスに比べて圧倒的に小国なデンマークだが、
外交においては非常に尊重されている。
その理由はデンマークが、
世界で2番目に古い王室を持っているからである。


・どれほど巨万の富を築いても「歴史」を買うことはできない。
つまり、「歴史」は価値なのだ。
その歴史がはぐくむものが「文化や伝統」である。
希少性こそが最も価値を創造する要素であり、
唯一無二には高いバリューがある。


・現在、世界に王室は27しかない。
その中で一番古い君主こそが日本の天皇である。
日本はキングではなくエンペラーを持つ唯一の国。
天皇は古事記と日本書紀を信じれば紀元前660年から、
きちんとした資料によれば6世紀以降から続く
「万世一系」である。


・私は特に特定の思想を持たないプラグマティストであるが、
プラグマティックに考えれば「天皇」は国家の価値であり、
この歴史が日本の文化や伝統を生んだのだ。


・ビジネスにおいて利害を関係づける「契約」には、
その国の文化や伝統の在り方が如実に反映される。
海外と取引をすると実感するのは、日本の契約書の薄さだ。


・海外では疑いを排除する仕組みが契約書に全部入り、
必然的に契約書は分厚いものになる。
日本では信頼関係が最初から存在するので、
薄い契約書でも契約が成立するのだ。


・投資において資本量の次に重要なのが「人」と「情報」。
この3つが揃えば、投資に勝つことができる。


・「原資」を確保するためには「人」が必要になるし、
濃厚な人間関係から入ってくる「情報」こそ
信頼できる情報となる。
3つは役割が重なるところがある。


・もしあなたが本気で金儲けをしたかったら、
金のあるところに近づかないと絶対に無理なのだ。
それは場所の問題にとどまらない。


・「お金持ち」とは、
例えばタクシーワンメーターに1000円を払って
「おつりはいいよ」と言える人である。
経済活動をしたければ、場所だけではなく
「お金持ち」と付き合うことが大事だ。


・お金の使い方を知っている人の周囲には、
濃厚な情報があったり、人脈があったりするのは当然。


・バブルが弾けて大変だったとき、
私の仲間だった人たちは全員現在でも生きている。
しかも全員成功している。
その理由は逃げなかったからだ。


・百貨店のクレーム処理の現場では
「クレームは逃げると追いかけてくる」
という格言がある。
あえて火中の中から逃げ出さなかった者だけが
生き残り逆転して成功したのは、
運ではなく法則として考えても良いだろう。


・仲間の一人は
「金を返せ」と迫る債権者にこう言い放った。

「取り返すからお金を貸してください」


・私は返すことしか考えられなくなっていたが、
それを目の当たりにしたとき、
「こんな時でもまだ金のことを、儲けることを考えているのか、、、」
と鳥肌が立ったものだ。
あのどん底で諦めないメンタリティは非常に勉強になった。


・もちろんこの時の経験は
後の人生に生きているのは言うまでもない。
小さい借金は人を殺すが、
大きな借金は次の金を生む、ということである。


・小さな額の借金は貸した側も
相手を恨む余裕が生まれるが、
あまりに大きな額だと貸した側と一緒に対策を練ることに
尽力しなければならなくなるからだ。


・何より大金を貸すには相手に対する信頼感が必要で、
その信頼感は私の場合、
持っている金融スキルに対する評価が作り上げている。


・投資で成功する要素は
「資金量」「人」「情報」に尽きる。
各々は各々と連動していて必ずしも独立していない。


・人を「脈」にするためには、
約束を守るという基本が最も大切なことだ。
時間も含めて約束したことを守り、
守れない時はいち早く伝え、誠意を持って謝罪するか、
できることを提案するという
「人間関係を築く基本」の
重要性に社会の裏表の差はない。


・その基本を守った上で、
「人」を「脈」にするために最も重要なことは、
誰が相手でもへりくだらないということ、
だと私は考えている。


・いわゆる「よいしょ」によって
人間関係を築こうとすることは
「人」を「脈」にする行為とは最も縁遠いことと
考えるべきである。


・本当のお金持ちや権力者は、
こうした「よいしょ」に慣れているし、
太鼓持ちを信用しないものなのだ。
常に自分の意見に対して「イエス」しか
言わない人間に囲まれることが、
いかに危険であることを知っているからである。


・太鼓持ちのような部下に目をかける社長がいるとすれば、
それはまさしく小物で、こうした経営者の持つ脈は
「人」「金」「情報」そろってとにかく細かいのが常である。


・礼を守りながら、相手の間違いを素直に指摘する。
これを受け入れられる「人」こそが
「脈」になりうる人物なのだ。


・ファイナンスだけで生きてきた私が、
この種の間違いを伝える伝え方を学んだのは、
まさに借金に押し潰されたどん底にいる時だった。
この日々の修羅場が、土壇場の状況で
相手を納得させる交渉力を短期間で
培ったことは言うまでもない。


・ごく少数ではあるが、
こちらの世界で他にも石油で儲けた人間を
何人か見た私は、石油取引を徹底的に研究した。


・私はまず「原油を売る」ことを目標にした。
どんなビジネスでもそうだが、
仕組みを理解することが第一で、
仕組みの理解以外に応用を生み出す近道はないからだ。


・ビジネスでの成功に必要なのは迅速な決断と行動だ。
少なくとも私はそうして生きてきたし、
おそらく死ぬまで変わらない。


・仕事で一番ムダな行為は、長時間の会議と電話。
なぜなら会議も電話も迅速な決断と行動とは
真逆のアクションだからである。


・表裏の社会を含めてかなり多くの人間と会った私だが、
「会議と電話」が好きな人物で
仕事ができる人間を私は見たことがない。


・私は英語を話していない。
英語を話しているのではなく、使っているのだ。
使うに当たって専門の学習を受けたことさえない。


・私は伝わることに力点をおいている。
扱うビジネスはいずれも専門性が高いことから、
むしろ英単語の記憶に時間を割いている。


・原油価格で為替を読め。


・アラブ諸国がどれほどアメリカを憎んでも、
石油取引の契約書は英米法を基本としたもので、
何より決算通貨である「ドル」の呪縛からは逃げられない。
これを一例として現物スポットと先物市場との価格差から、
価格形成の理由がわかれば自ずと為替の動きは読めるものだ。


・そこに米ドル建て外貨預金の金利と、
アメリカの長期国債金、ダウ平均株価の動向などの要素を加え、
ドルの売買動向、ダウの動向、投資マネーの動きなどを
総合してファイナンスの動きを判断するのだ。


・アメリカの制裁により、
私に巨大な資金を提供した石油ビジネスはゼロへとなったが、
獲得した国際金融の最先端のスキルは
金で買うことはできないほど貴重なもので、
暴力団を引退した現在の私の経済活動を支えている。


・もしあなたが外国とビジネスの関係として
きちんと付き合いたかったら
ドルを知ることが最良の手段である。


・忘れてはならないのはドルでしか取引できないものは、
石油にとどまらないことである。
軍事用の武器、穀物もドルが基本となっている。
ドルの動きを正しく理解するということは
つまり世界の動きを正しく理解することと
同じことなのだ。


・中国で金を生むことを考えるなら、
ドルから中国を見ることが重要なのである。


・世界一の国になるには、
世界一の暴力と世界で一番強い貨幣、
そしてそれを運用する政治システムが必要なのだ。


・戦争というのは国家が暴力をツールにした
国益追求の活動である。
「戦争は悲惨」と人は言うが、
悲惨なのは大量の死者が出ることではなく、
たかが銭金のために大量の人が死ぬことだ。


・資源もないこの日本の財産は、
高等教育を受けた大量の労働力と、
超高度に整備された電気、ガス、交通インフラなどがある
国富に満ち溢れた国土だ。

 

 

※コメント
学者の人には決して書けない、
国際経済の内部情報だ。
現場と実務に精通する猫組長の情報は、
恐ろしいほど面白い。

 


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