◆竹内明『秘匿捜査:警視庁公安部スパイハンターの344日』(その1)を再び読み解く
何年か前に読んだ本書を読み返した。
再び読むと新しい発見や新たな面白みに気づく。
※要旨
・インテリジェンスという「戦場なき戦争」を闘う男たちは、
誰の目にも触れることはなく、実に孤独である。
・最前線で闘っていながら、
国民の知るところとはならず、喝采を浴びることもない。
自己を犠牲にしながら、
その姿を公衆の面前に晒すことはない。
彼らはその生き様を美学として受け入れているのだ。
・外事第一課第四係。
エレベーターが警視庁本部13階に到着しドアが開くと、
流れ込んでくる空気が他のフロアと比べて冷たいと気づく。
・ここに「公安部外事第一課」という
一般には馴染みのないセクションがある。
ここを拠点とする男たちの任務が
ロシアのスパイハンティングであることは
警視庁4万6000人の警察官でも知る者は少ないだろう。
・首都東京を守る警視庁は
全国の警察本部の中で唯一、独立した「公安部」を持っている。
・警視庁公安部は、現在8つの課と機動捜査隊で
構成されている。
筆頭課の「公安総務課」は
日本共産党やカルト宗教など幅広い調査を担当する課である。
オウム真理教の動向調査も「公総(コウソウ)」の担当だ。
警察庁キャリアが課長席に座り、
法令解釈や部内の人員調整なども担当する。
・第一担当には「IS班」というチームがある。
語源は、「総合的な補助」。
政界や官界、任侠の世界からマスコミまで幅広く情報源を開拓して、
遊軍的に情報収集活動するのが任務だ。
公安部だけでなく警視庁の捜査部門全体に
総合情報を提供するためのインテリジェンス部隊だ。
・警視庁の公安捜査員の数は一切公開されていないが、
部全体で1100人程度と見られる。
公安総務課と公安一課にそれぞれ250人と多く配置されており、
外事部門では外事三課が一番多く、およそ130人。
外事一課と外事二課にはそれぞれ110人が配置されていると
推測される。
・警察庁警備局を頂点に全国に張り巡らされた
「警備公安警察」のヒエラルキーの中で、
最大の実働部隊を誇るのが、
この警視庁公安部なのである。
・組織の活動の秘匿性は、
彼らの人間味のない立ち振る舞いに反映されている。
※コメント
さまざまな公開情報を探ることにより、
大きな全体像がわかることがある。
これらはどんな組織やビジネスにも当てはまる。
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