◆尾崎弘之『異能の起業家、坂本孝:「俺のイタリアン」を生んだ男』(その1)を読み解く

 

 


※要旨

 

・2つのビッグビジネスをゼロから立ち上げる。


・『俺のシリーズ』を立ち上げた社長の坂本孝は、
古本販売チェーン『ブックオフ』の創業者でもある。


・考えてみれば、ブックオフも前代未聞のビジネスだった。


・古本屋はどこに行ってもカビ臭くて暗く、
愛想が悪い親父が店番をしていて、
専門書、名著に特化した「マニアの場所」であった。
ところが、ブックオフは店内が明るく、
綺麗で、比較的新しい書籍が揃っている。


・坂本は、「古本販売チェーン」と「高級立ち飲み居酒屋チェーン」
という互いに共通点がほとんどないビジネスを
異なる時期にゼロから立ち上げた。


・米国では「シリアル・アントレプレナー」と呼ばれる、
ベンチャーを何度も立ち上げ、
ビッグビジネスに持っていく起業家は結構多い。
しかし、日本では、そういった人は少ない。
例外は、ソフトバンクの孫正義さん、
京セラの創業者・稲盛和夫さんなどごく少数の人に限られる。


・ソフトバンクは、パソコンソフト販売、デジタル展示会運営、
インターネット検索、ブロードバンド通信、
モバイル通信と本業が様変わりしてきたが、
すべてがビッグビジネスになった。


・顧客回転数で高級料理と低価格を両立させる。


・『俺のシリーズ』は「前代未聞」のビジネスである。
「高級料理」「低価格」の両方を同時に成し遂げた店は
他に存在しないからである。


・『俺のシリーズ』のビジネスモデルは
次の3つの組み合わせで可能となった。


1.高級な食材に金を惜しまないこと。
(高い顧客満足)


2.ミュシュランの星クラスの一流シェフを集めること。
(参入障壁)


3.立ち飲みにして高い顧客回転数を保つ。
(スペース有効活用による経費率低下)

 

・『俺のシリーズ』のビジネスモデルは、
高級食材をふんだんに使い、
敢えてコストを高くした分を、
お客さんの回転数(テーブルあたりの1日の顧客数)を
高めて補うことである。


・飲食業界は「真似だらけ」である。
したがって、いかに参入障壁を作るかが重要である。
シェフ、ソムリエ、ジャズは参入障壁を作る、
格好の手段である。

 


※コメント
さまざまなコンセプトの組み合わせは面白い。
いろいろなところに応用できる。
やはり試してみることは本当に大事だ。

 

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