◆寺井伸太郎「今治造船、強さの秘密」を読み解く
※要旨
・深刻な「船余り」にあえぐ造船業界にあって、
「一人勝ち」の様相を見せる今治造船。
・なぜ、同社は成長を続けられるのか。
非上場で開示資料が限られている中で、
探ってみると、「4つの強み」が見えてきた。
★競争力を支える4つの強み。
1.同族企業のスピード経営。
創業家のトップダウンで長期的な視野での逆張り投資が可能。
2.低コスト。
重工系より抑え目の人件費水準、
しかも協力会社の比率も高い。
3.グループ内に海運会社。
船舶を買ってもらうだけでなく、
「貸す」のも可能。
営業の幅が広い。
4.瀬戸内圏に産業集積。
船主、船用機器、金融機関が顔の見える強固な関係。
・大量建造による購買力を武器に
鋼板や機器を安く仕入れられる。
そのコスト競争力の高さが、今治造船の財務基盤を支えている。
・海運大手は船隊保有でバランスシートを過度に膨らませたくないため、
外部の船主から船舶を一定程度チャーターするが、
今治造船は造船会社でありながら、
そのニーズを満たすことで、海運会社との接点を密にしてきた。
海運大手幹部は「提案力が高まるのは間違いない」と評価する。
・強みの一つが、地の利だ。
南北朝時代から戦国時代に瀬戸内海で活動した「村上水軍」にまで
歴史を遡ることができる瀬戸内海周辺の海事産業。
・今治造船が本拠を置く今治市には船主だけで、
日本の外航船の3分の1の船舶を保有する。
・造船所はもちろん、エンジンやプロペラなどの
船用機器メーカーも集積する。
船舶の購入資金の融資に前向きな愛媛銀行や伊予銀行など
金融機関も存在感を放つ。
※コメント
地方で活躍する企業の話は面白い。
そういうローカル企業は、グローバルで戦うため、
さまざまな工夫がなされている。
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