◆伊勢雅臣『世界が称賛する、日本の教育』を読み解く


本書は、伊勢氏の新刊である。

 


※要旨


・私自身も、日本での子会社、ある事業本部、
その後、イタリアとアメリカの現地法人のトップを務めて、
この「事業は人なり」を体験した。


・経営者は事業の細部に口を挟んだり、
従来とは違うことをやろうとするよりも、
社員を「手塩にかけて」育て、一人ひとりがその才能や適性を
フルに発揮できるような環境と組織を整えて、
それぞれの仕事にやる気に燃えて取り組めるようにした方が、
はるかに事業成果の面でも早道だ。


・「人さえつくれば、利益は勝手についてくる」
というのが、私の口癖だった。


・しつけを受けた人は年収が高い。
「幼児の頃にきちんと躾けられると、
大人になってから社会的にも成功し、年収が高くなる」
という興味深い調査結果がある。


・札幌の中学校教師だった小田島裕一さんが、
青年海外協力隊の一員としてアフリカのウガンダに行き、
高校で野球部の監督をすることになった。


・しかし、選手はまじめに練習もせず、部室はゴミだらけ。
「君たちは野球の前にすべきことがある」
と言って、小田島さんは生徒たちの躾(しつけ)から取り組んだ。


・教育哲学者の森信三が提唱した教育再建の三大原理、

「時を守り、場を清め、礼を正す」

という躾から始めなければならない、と小田島さんは考えた。
この3つを守れたら、どんな荒れた学校も良くなるという。


・まず自分が本物の日本人になる。


・ウガンダの高校で、朝読書、朝清掃をはじめて6ヶ月。
チームとして1時間半、教室で一言もしゃべらず、
背筋を伸ばして学習する選手たち。
朝の読書には「座禅」のような効果がある。
読書で集中力を高め、朝の校内清掃に入る。


・小田島さんがお手本を示し、
掃除の回数が200回を超えたあたりから、
彼らの掃除は小田島さんよりも丁寧になっていった。


・早朝の読書と清掃、そして夕方の練習を続けて半年ほどすると、
選手たちの真摯な姿勢、他人へのやわらかい物腰、
何かを学ぼうという真剣なまなざしは、
日本人以上に日本人らしくなっていた。


・ウガンダチームを日本で親善試合をするため、
日本に呼んだ。
物を使ったら、次の人のためにきれいに片づけるということが、
当たり前のようにできるウガンダ青年たちの姿に、
今度は周囲の日本人客が驚いていた。


・駒大苫小牧高校野球部の香田元監督は、
親善試合の様子を次のように語った。

「ウガンダ人の野球に対する姿勢が本当に勉強になった。
試合中に5回ほど涙が出そうになった。
子供の頃、初めてボールを握った感覚や、
楽しくボールを追っかけていた過去が蘇りました。
言葉ではうまく表現できないけれども、
日本野球に失われたものを彼らは持っている」


・「時を守り、場を清め、礼を正す」
という日本人の生き方は一朝一夕にできたものではない。
二千年以上の努力の積み重ねによってできあがったものだ。


・福井県の中学生たちは、
登下校の際、校舎に向かって深々とお辞儀をする。

 

・福井には曹洞宗大本山の永平寺があるが、
まさにこれは禅寺での修行風景を思わせる。


・すべての伝統と同様、福井のこうした教育も、
多くの人々の長年にわたる努力の積み重ねの結果である。

 

 


※コメント
日本の教育に関する長い伝統と歴史を感じた。
ところどころ胸が熱くなり、ウルっときてしまうストーリーが
たくさんあった。
ぜひ、日本の教育関係者、先生方々に読んでもらいたい一冊である。
だが、その前に、まず自分自身からこの本から学んだことを
少しずつ実践していきたい。

 


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