◆スティーヴンソラ『米国エリートの黒い履歴書:その3』を読み解く
つづき。
※要旨
・テンプル株式会社。
銀行業の始まり。
テンプル騎士団は、ヨーロッパ始まって以来の裕福な組織であり、
史上初の多国籍企業でもあった。
テンプル騎士団の生業はビジネスであり、
しかもそれが、それまでのヨーロッパになかった方法で運営された。
・今日のような銀行業はテンプル騎士団が始めた制度だ。
・彼らはヨーロッパ全域に多くの要塞や拠点を持っていた。
大陸のエリートの富を守るのに、
これ以上ふさわしい存在があっただろうか。
・テンプル騎士団の銀行は、商人、騎士、王族などの世俗の財産を
安全に預かったうえ、
一つの国で預けて別の国で引き出すことを認めて、
手続きのすべての段階で手数料をとった。
・テンプル株式会社。「資産管理」。
資産・領地の管理は、テンプル騎士団の業務のなかでも
大きな役割を果たしていた。
・テンプル騎士団の資産リストは、
調査の帳簿一冊を完全に埋め尽くすもので、
そのうえドイツ、ハンガリー、フランス、
そしてフランスとドイツの境界地域にも土地を所有していた。
・テンプル株式会社。「海運業」。
騎士団の船団も、フランスの港町の船主や商人がうらやむ利益の源だった。
・奴隷貿易、商品の交易、兵員の輸送と武器・軍需物資の運搬に加えて、
テンプル騎士団は海賊行為にも従事していた。
かれらの船がイスラム教徒の船を襲うのは、
両者が戦争状態にあったことから、
海賊行為とはみなされなかった。
・一族の秘密。
海賊からスタートして陸へ上がった「名門」家系。
・テンプル騎士団を生んだ封建制は、
自由、平等、友愛といった崇高な思想を生んだ。
しかし、権力を持つ者のあいだには腐敗が横行した。
フリーメイソンはテンプル騎士団の崇高な思想から発展し、
メンバーを保護するために秘密裏に、
ロッジシステムを作った。
・しかるべきコネクションのある名家・名門は生き延び、
極悪犯罪で得た財産を蓄積していった。
海賊行為で得た利益はもう少しましな事業への投資となり、
17世紀の犯罪で築かれた財産が21世紀の富の基礎となる。
・ガードナー家は数世紀にわたって財産を維持しているが、
これは独立戦争までに作ったイギリスとのしかるべきコネクションと、
19世紀半ばまで続いた秘密のコネクションのおかげだ。
・すべての陰謀が悪巧みとは限らなかった。
アメリカで秘密結社に加入することは、
自分の地位を高め、職を見つけて、コミュニティに属し、
ヨーロッパの宗教紛争を乗り越えることを意味した。
・英国国王への叛乱が始まると、
植民者たちは秘密結社を使ってスパイのネットワークを作り、
まったく怪しまれることなく敵を攻撃したのだった。
・スパイ、外交官、密輸業者、フリーメイソン、そして奴隷貿易商。
アメリカ独立革命は、英国が密輸を弾圧したことへの反応として始まった。
イギリス人が密輸業者だと宣告した人々は、
アメリカ人にすれば普通の商人だった。
もっともこうした商人には、共通点があった。
海賊と同様に、生き延びるためのコネクションが必要だった。
・アメリカ独立革命を戦ったのは、スパイ、外交官、
密輸業者、フリーメイソン、そして奴隷貿易商人からなる
ネットワークだった。
政治的に団結することはめったになかったが、
利害は共通だった。
・フリーメイソン団のつながりによって、
イングランドからニューイングランド、ニューヨーク、
そして南北カロライナの陰謀家たちは共通の基盤を見いだし、
舞台裏で決定的な行動をとることができた。
※コメント
アメリカ独立革命の裏舞台はおもしろい。
日本人だと、あまり注目されない部分であるが、
調べれば調べるほど、興味が湧いてくる。
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