◆鍋島高明『相場師奇聞:天一坊から帝王モルガンまで』を読み解く

 

※要旨


・根津嘉一郎は、甲州のきかん坊とよばれた。
株はボロ株買い、書画骨董は名品買いであり、
前半生は相場師、後半生は実業家であった。


・鹿島茂氏は、根津のことをこう評している。
欧米式のドライなビジネス感覚を持っていた日本人のひとりに、
『鉄道王』と呼ばれた根津嘉一郎がいる。
あまたのボロ会社を安く買い取ってリストラを断行し、
業績を急上昇させてからこれを高く売って、大儲けした。


・甲州財閥の雄たる根津は、勇猛果敢、堅忍不抜、
直情径行、猪突猛進、傲岸不遜、独立不羈などの
甲州財閥の特徴を示す四字熟語すべてに当てはまる豪傑だった。


・彼は、「ボロ買一郎」の異名をとる。
明治38年、根津はボロ鉄道の代表、
東武鉄道を買収して社長に就くと、リストラに乗り出す。
まず株主配当をゼロとし、本社事務所を倉庫の建物に移した。
あらゆる冗費を排除し、紙一枚の無駄を許さず、
一方で主任級の社員を課長に抜擢し士気を高めた。
一年後には見事復配にこぎつける。


・根津は株式相場ではボロ株の中から将来性のある
株を拾い出す「掘り出し屋」であったが、
書画骨董市場では超一流品にしか手を出さなかった。


・空売り王のジェシー・リバモア。
記憶力と洞察力にずば抜けていたリバモアにとって、
相場の世界は天職ともいうべき仕事場であった。


・黒板書きの長い一日が終わると、
リバモアは掲示板の終値を写し取り、
前日の数字と比べ、ある種のパターンを発見する。

 

・ウォール街の帝王が、J・P・モルガンである。
金投機、鉄道株買い占めで巨利を得た。


・またモルガンは、南北戦争でも商才を発揮した。


・モルガンは、
「鉄道を制する者はアメリカを制す」とばかり、
鉄道を次々に買収し、
19世紀末には全米に2万6000マイルに及ぶ
鉄道網を敷き、鉄道王国を築きあげた。


・なかでもモルガンのドル箱は、
ノーザン・パシフィック鉄道であった。

 

 

※コメント
世界にたくさんの相場師がいるが、
日本にもおもしろい相場師はいる。
歴史を学ぶ面白さはこういうところにある。

 

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