◆手島佑郎『ユダヤ・タルムードビジネス』を読み解く
※要旨
・ロスチャイルド財閥を一代で築き上げたマイヤー・アムシェル・ロスチャイルドは、
毎週末タルムードをひもとき、タルムードを研究することを無上の喜びとしていた。
・タルムードは人間と人間のあり方を教える。
だから彼らにとってタルムード研究は、ビジネスのあり方、危機への対処法、
交渉の仕方、議論の組み立て方、契約の仕方を考える際にも、非常に役立ったのである。
・タルムードの原文は、5000ページ以上もあり、
250万語におよぶ膨大な書物である。
・ロスチャイルド財閥の創始者マイヤーが、
毎週土曜日に好んで愛読していたタルムードの箇所は、損害訴訟の部分であった。
さまざまな事件や事故の実例をとりあげながら、その過失責任、
免責がどうやって判定されるのかを論じている。
・モノを説明する機能としての言葉は、最大の商品になりえるのである。
ましてや、価値創造の材料となえる貴重な情報は、
金銭以上の付加価値資源と見なされるのである。
ユダヤ人には情報産業に携わる者が多い。
また情報産業に携わる者は、ユダヤ人社会内部において地位は高い。
・ユダヤ人は、ギリシャの歴史家ヘロドトス、ローマのトゥキジデスよりはるか以前から、
歴史というものへの深い関心を寄せて、各時代の資料を選別し、
これらを集大成して聖書という形にまとめた。
情報の共有が民族の団結を強めると知っていたからだ。
・断片的情報でも、それを無数に集め、なおかつ体系的に整理すると、
一大真理の世界となる。
ユダヤの律法に関するすべての議論と判例、そしてもろもろの言説を収集し、
記録したタルムードは、その好例である。
・ユダヤ人たちは気が遠くなるほどのコツコツと努力をかさね、
父祖たちの言行を調べ上げ、西暦3世紀後半から4世紀にかけてタルムードを編纂した。
・中世においても著名なユダヤ人たちは、ひたすら著作を続けた。
かれらの著作に接してわかることだが、かれらは考える前に、
まず世間を観察し、古典を渉猟し、膨大な知識と情報を蓄積していた。
・情報への感性が、ビジネスを左右する。
これがユダヤ人の生活信条だといっても過言ではない。
だからこそ、草創期のロスチャイルド一家は、どこの誰よりも速く、
正確な情報収集につとめた。
情報収集力と情報ネットワークに長けていたことが、
かれらが世界一の財閥になれた成功の秘密の一つだった。
・それならば、いっそうのこと情報だけを売ったほうがずっとお金になるのではないか。
そう考えてニュース配信サービスをビジネスとしてはじめたのが、
通信社の元祖AFPやロイター通信である。
・世の中全体では、金持ちはつねに少なく、貧乏人が圧倒的多数である。
貧乏人からいかにして富を吸収するか。
貧乏人こそは富の源泉なのである。
富裕になるための発想の原点は、まずここになければならぬ。
・ロスチャイルドは古道具屋から、英国の百貨店マーク&スペンサーのシフ家は、
服地の裁断片のボロ屋から出発した。
オキシデンタル石油をメジャーに仕立てたハマーは、
アルコールに薬用しょうが液を添加したジンジャーエールの代用酒で大儲けし、
やがて世界に進出していった。
・いずれも社会の底辺の庶民の生活感情を熟知し、
そこから事業を拡大していった。
かれらは利益の出ようもない物を売って、利益を創出する知恵を身につけていった。
支払いさえ円滑であれば、そういう屑のようなものでさえも巨富の源泉となることを、
かれらは見抜いていたのである。
見栄えのいい完成品だけを求めるよりも、屑の見直し。
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