◆嶋聡『孫正義の参謀:ソフトバンク社長室長3000日』を読み解く
嶋氏は、2006年、総選挙で落選。
直後、ソフトバンクの社長室長に就任した。
嶋氏は、2016年参議院選挙にて、
おおさか維新の候補として比例区から出馬。
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※要旨
・「300年続く企業を創りたい」
これが孫社長の思いである。
ゆえに300年続いたローマ帝国の歴史に興味があるそうだ。
・ローマのカエサルも孫社長と同じく借金王であった。
「借金が少額のうちは債権者が強者で債務者は弱者だが、
額が増大するやこの関係は逆転するという点をカエサルは突いた」
・カエサルの場合は破滅されては大変、
と最大の債権者クラックスがカエサルを全力で支えた。
・塩野七生さんによると、ローマ人は、
「知力ではギリシャ人に劣り、体力ではゲルマン人に劣り、
技術力ではエルトリア人に劣り、経済力ではカルタゴ人に劣るのが
自分たちローマ人である」
と自ら認めていた。
それなのに、なぜローマ人だけが帝国を築き上げ、
長期にわたり維持することができたのか。
・ローマ人が優れていたのは
「自分たちの持っているものを徹底的に活用する能力」
であると塩野氏はいう。
ローマの版図を広げたのは、
「敗者をも同化する寛容の精神」であった。
・「物事を成し遂げるには足し算方式ではだめだ。
引き算じゃなければいけない」
5年先、10年先、100年先、300年先を頭がちぎれるほど考える。
そこから逆算して、
いま、何をなすべきかを考える。
この「引き算方式」が孫正義流経営の真髄ではないか。
・「戦略」の「略」とは省略するという意味である。
ありとあらゆる情報を集めたら無駄なもの、
ノイズを徹底的に除去する。
枝葉末節を徹底的に削り、一番太い幹を見出す。
攻めるべく、急所、「肝」を見つけて徹底的に攻める。
・孫社長は会議でも「これが肝だ」
とよく発言する。
たとえば、電波のつながりやすさ。
この肝は2つだけという。
一つは電波の周波数で、もう一つは設備投資。
・太公望の兵法。
私は『六韜三略』を座右の書の一つとしている。
太公望の呼び名で知られる呂尚が周の文王の子、武王を
支えたときの兵法書としても知られる。
劉邦の大軍師、張良が座右の書とした。
・太公望兵法の基礎は、
常に先の先まで考えて布石を打つことから始まる。
中長期に手順を考え、基礎を積み重ねていき、
すべての物事を未然に始末していく。
いざ、決戦のときにはすでに勝負がついており、
不思議なほど順調にことが進むというのが
最良であるという兵法である。
・ソフトバンクは、フォロースルーの姿が
いつも美しくないと言われた。
やりっ放し、放りっぱなしで次の戦いに向かってしまう。
具体的には、
「頼むときだけ突然に来て、必要がなくなるとお礼にも来ない」
と言われたものである。
・私が社長室長になってからは、
孫社長の代行として報告、お礼にいくということを常としていた。
・「弱きを以って強きを撃つは、
必ず大国の助けと隣国の助けとを得よ。
その弊を厚くし、その辞を低くせよ」
(六韜三略)
助けを得るには、礼を尽くしておけ、
という教えの実践である。
・2013年、孫社長はこう宣言した。
「ボーダフォンジャパンを買収したとき、
10年以内にドコモさんを抜くと公言してきたが、
その当時は、われわれの社員ですら笑っていた。
『ありえない』
『また夢の大風呂敷を広げたな』と」
・この大風呂敷達成を、戦略、戦術、企画に落とし、
どう達成するかを考え始めたのがソフトバンク社長室長に
就任したばかりの私だった。
・M経営戦略室長が私の後任となった。
新しいフェーズのソフトバンク社長室長として、
自らの歴史的役割を果たしてくれることを期待している。
そのM室長は、孫社長の指示でローマ帝国とモンゴル帝国を研究している。
※コメント
ソフトバンクや孫さんの内部情報がいろいろ出ていて、
おもしろい。
政治と経済を両方経験することは良い。
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