◆手嶋龍一『インテリジェンス最強のテキスト』を読み解く
本書は、佐藤優氏との共著である。
※要旨
・インテリジェンスとは、
国家が動乱のなかを生き残るために、
選りすぐられ、分析され抜いた情報である。
われわれは現代史の最前線で、
「インテリジェンス」こそ国家の舵取りの死活的な
拠り所になることを、身を以って学んだ。
・一国のインテリジェンス能力は、
その国力から大きく乖離しない。
このテーゼに従えば、
極東の経済大国は世界有数のインテリジェンス強国であっていいはずだった。
軽武装の通商国家を標榜する以上、
情報力こそがこの国の安全保障を担保して然るべきである。
・インテリジェンスとは年季なのである。
現場の経験がモノをいう世界だ。
しかもインテリジェンスは直観に頼る一種のアートでもある。
情報の世界の神は、
天性の勘に恵まれた者にのみ微笑む。
インテリジェンスの技を学んだからといって、
インテリジェンス感覚が磨かれるとは限らない。
・「忘れられた破綻国家」といわれるウクライナではいま、
新たな危機が深く進行している。
現下のウクライナ情勢こそ、
われらがインテリジェンス能力を試す
格好の試金石なのである。
・一切の予断を排して、
現実をありのままに眺め、その実像を等身大で描き出す。
これこそがインテリジェンスの要諦だ。
それゆえ「イスラム国」という存在こそ、
「インテリジェンス」に携わる者にとっては、
そうしても極めなければならないフロンティアといえる。
・破綻国家「ウクライナ」とカリフが支配する「イスラム国」。
2つの地域には、
超大国アメリカが抱える苦悩がそのまま映し出されている。
・歴史の教訓、ノモンハン戦争。
第二次世界大戦の「隠された前奏曲」となったノモンハン事件は、
ヨーロッパ情勢とアジア情勢が水面下で連動していることを
物語る歴史の教訓である。
・1939年の事件発生の当初は、
双方の国境警備部隊の間に
生じた常に小競り合いのように映った。
だが、その後の展開を見れば、
第二次世界大戦の戦局にも重要な影響を及ぼしかねない
戦いだったことがわかる。
・「ノモンハン戦争」に至るプロセス、
前線で戦われた戦闘状況の把握、
統帥部の指揮と作戦能力、戦争終結に至る外交交渉。
国家のインテリジェンスに携わる者にとっては、
そのいずれもが格好の「歴史の教訓」だ。
・熾烈な国際情勢のなかで国家が生き残るために、
インテリジェンスがどれほど重要な武器となるか。
アジアの大草原で起きた地上戦は、
比類なき簡潔さで物語っている。
・「ノモンハン戦争」こそ、
インテリジェンスを学ぶ者にとって、
超一級の素材に溢れた教科書なのである。
・「第二次世界大戦は、満州から始まって満州で終わった」
英国の現代史家、アントニー・ビーヴァーは、
こう唱えている。
極東戦域での戦いはやがて欧州戦域に
連動していった、とのことだ。
・インテリジェンスとは、
膨大な数のピースを気の遠くなるような忍耐力によって
あるべき場所に配する業である。
そして錯綜した事態から本質をあぶりだす業でもある。
※コメント
情報の極意が書かれており、
何回も復習したい一冊である。
情報におけるスタンダードな教科書だ。
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