◆浅井信雄『アメリカ50州を読む地図』を読み解く

 

※要旨


・「米国は多様な国であって、
ワシントンDCやニューヨークだけがアメリカではない」
と幾度聞かされたことか。


・多くの先人が各州の紹介に挑戦してきたが、
私は一般の日本人がいま米国に抱く政治、経済、社会的関心に
こたえ得る手ごろな文献を目指した。


・一つの州のスケールがとにかく大きい。
面積最大のアラスカ州はともかく、
面積が2番目に大きいテキサス州も日本の1.8倍で、
しかも政治的に重要であり、文化的にも多様である。


・私は数十回にわたり長期・短期の訪米をしている。
無数の人々との公式・私的会見や内外の諸文献からの
情報・評価も有効に活用させていただいた。


・膨大な情報・資料からの取捨選択は、
主として私の判断で行った。


・どの国にもある程度いえることだが、
とくに米国はあらゆる評価を可能にし、
その評価も移ろいやすい。
すべては間断なく流れ、どの流れももとの水にあらず、
だから固定的に一般化した評価はほとんど意味がない。


・少なくとも「摩天楼のニューヨーク」とか、
「陽気な米国人」「保守的な中西部」「人種差別の南部」
といった、日本人の慣れ親しんだ単純なステレオタイプ的評価から
脱却すべき時期にきている。


・ニューヨークにも低層の建築物はたくさんあるし、
陰気な米国人にもどれだけ出会ったことか。
多彩な米国人がいるからこそ多彩な芸術・文化も生まれる。


・中西部や南部といっても広うござんす、
さまざまな風土がござんす、といいたいところだ。
ステレオタイプ的評価は、
「フジヤマ・ゲイシャガールの日本」
という形容と同様、相手に失礼だ。


・マクロ観察もときに必要であるが、
あまりに大雑把に固定化すると有害である。
ミクロ観察もあまりに詳細にありすぎると、
かえって全体像の理解を遠ざけると承知しつつ、
今日の日本人はもう少しミクロ分野に
踏み込んでもよいと信ずる。


・大統領選挙や連邦議会選挙では、
よく「南部戦略」などのブロック用語が登場する。
しかし、現実に選挙動向を決定するのは、
もっと小さな単位である各州の政治・経済・社会的条件であることが多い。
大統領選挙の選挙人数や連邦下院議員の定数も、
各州の人口に応じて決められる。


・どの国にも他国から見れば、エクボとアバタがある。
それを精査してバランスよく議論するようになったのは、
きわめて健全だと考える。
幻想を捨て、相手のすべてをよく知った上で、
共存のすべを考えることこそ日米関係の安定永続に不可欠だろう。


・最後に私自身の米国観をいえば、
当然ながら多様である。
勉強しやすい。
生活もしやすい。
人間関係の風通しがいい。
気持ちがゆったりする。
努力すれば報われそうな実感もある。
他方で、建前と本音の大きなギャップに当惑する。

 

※コメント
アメリカのいろいろな特色を知ることができ、面白い。
あらためて、アメリカは日本と同様、
多様な国であると思った。


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