◆エドワード・ルトワック『クーデター入門:その攻防の技術』を読み解く
※要旨
・これはハンドブックである。
だから、クーデターの意義について論じるのではなく、
実際に国家権力を握るために活用できるような、
クーデターのテクニックを紹介することを目的としている。
・やる気と材料があれば素人にでもできるという意味で、
料理の本に似ている。
本書はそのための知識を提供するのがねらいである。
・注意を申し上げておく。
クーデターを成功させるためには、
それなりの条件が存在しなくてはならない。
ブイヤベースをつくるには、
まずしかるべき魚がなくてははじまらないのと
同じである。
・第二に、クーデターは失敗したら料理の失敗より
はるかに罰が重いということである。
逆に、成功すれば報いられるところも大きい。
・つぎに、こんなものを書いて読者を誤らせ、
危険に陥れないかという反対があろう。
私の答えはこうである。
クーデターはすでにいたるところで起きている。
この本を読んで、
より多くの人々がクーデターのやり方を学んだとすれば、
それはただ単にクーデターの民主化であり、
すべての開かれた心の持ち主が賞賛するところであろう。
・情報は我々の最大の財産である。
クーデターを計画している段階で
我々が非常に有利な立場にあるのは、
われわれが国家の防衛機構について多くのことを知っているのに、
それを支配している連中は我々について何も知らないからである。
・だからこそ、
必要以上の情報を他人にもらさないよう
極力務めなくてはならない。
・我々はまず、クーデター実行期間中、
誰を孤立化させる必要があり、
誰は無視しても無難かを知るために
政府の顔ぶれを研究しておかなければならない。
ついで、施設・装備を調査し、
占拠ないし中立化の必要あるものを、
あらかじめ選択しておかなければならない。
・政治の中枢から流される情報を規制することは、
クーデター後、我々の権威を確立する最上の武器である。
したがって、おもなマスコミを抑えることは
死活的重要性を持つ課題である。
・我々の狙いは情報の流れを規制するだけでなく、
独占することだ。
したがって、放送局をすべて片づけなければならない。
・交通の要衝。
首都の目抜き通りの角に陣取った戦車の姿は
クーデターのシンボルのようになっているが、
実は実際的な必要からあのように布陣しているのである。
つまり、政治活動の中心地にその存在を
具体的に示す必要から出ているのである。
・クーデターの実行期間はいたって短いから、
空輸はきわめて重要である。
※コメント
わかりやすく、コンパクトにまとまっている。
歴史上のクーデターを見てみると、
この本に書かれているやり方と一致する。
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