◆工藤美代子『笹川良一が現代に放つ警句80:くじけてなるものか』を読み解く
※要旨
・「事業成功の秘訣は10年先、20年先、
50年先を見越して仕事をすることにある。
事業経営にはなにごとも先見の明こそが、
必勝の極意である」(笹川良一)
・大震災復興計画が出るたびに、
多くの人々は密かに角さんの顔を思い浮かべるが、
口には出せずにいるのではないか。
あれほどの行動力、資金収集力、
指導力を持つ指導者がいない不幸が
ようやく分かってきた。
・こういう危機には、
後藤新平や田中角栄並の人物が
必要とされるのだ。
30年先、50年先を予見して
金を動かす英雄を輩出した時代は元気があった。
・「環境保全は長寿の秘訣でもある。
マングローブの植林など、怠ってはならない」
・「世界平和の基礎づくりは、
まず貧困をなくし、飢餓を解決し、
その上で民族・宗教問題におけるテロを
根絶することにある」
・「わたしは戦前に大阪刑務所で2年6ヶ月、
戦後は巣鴨プリズンで3年1ヶ月、
都合5年7ヶ月の獄中生活を強いられた。
もちろんいずれも無罪になったので、
その間は神様からまとめて休暇を
いただいたものと今では感謝している」
・「いくら儲けてもいいが、
儲かったら利益の10%くらいは
相手に寄付すれば文句も出ない。
自分だけがひとり勝ちしようとするから、
憎まれる」
・「寄付をするなら活きた寄付をせよ」
が寄付王笹川の人生観の到達点だった。
・「皇室が国民と苦楽をともにされるお気持ちがあるがゆえに、
悠久の国家安泰が続いてきた。
靖国神社を参拝できない今の天皇はお気の毒である。
また、自衛隊員を直接ねぎらわれることも
できないとも聞くが、はがゆいばかりだ」
・「帝王学の神髄とは、慈悲深く、一視同仁に扱い、
国家国民のためには自己を犠牲にすることであります。
このような帝王学を学んでおられる日本の皇室は、
ますますご安泰となり、
喜ばしい限りです」
・「子供を甘く育てれば、強い子は育たない。
だから、わたしのモットーは、
『子孫に美田を残さず』である。
荒海の岩石の上に立つ木が
風雪にも耐えて育つのは、
強風にさらされて強い根を張るからだ」
・笹川良一は自分の子供にも厳しく接した。
小遣いはなし。
家中の掃除洗濯を朝からやらせる。
揚げ句の果ては、
「子供には財産をいっさい残さない」
と宣言し、有言実行。
・「子孫に美田を残さず。
私の遺言はそれにつきる」
笹川は、そう言い残して、
1995年に96歳の生涯を閉じた。
・「孫と遊ぶのが楽しくなったら、人生オシマイだ。
棺桶を用意した方がいい。
わたしは孫を抱いたこともない」
・「何ごとも、先手必勝が肝心」
・「義理人情と親孝行。
これを初等教育から教えない教育改革なんか、
三文の値打ちもない」
・イギリスの首相サッチャーは、
見習うべき名言を残している。
「あなたの旗は赤旗でしょう。私の旗はユニオンジャックです」
「社会というものはありません。
あるのは国家と個人だけです」
「私はコンセンサスというものをさほど大事だとは思いません。
あれは時間の浪費です」
「この内閣には、男は一人もいないのですか」
(フォークランド紛争開戦に反対する閣僚に対して)
・「91歳のわたしが若いと言われるのは、
粗食を心がけているからだ。
高価な肉や魚などは口にしない。
よく噛んで、感謝しながら食べる。
これが長寿の秘訣である」
・「わたしは毎朝ジョギングをして、体を鍛えている。
スポーツは体だけではなく、
人間形成に必要な精神修養の万能薬でもある」
・「暑い、寒い」
を口に出すな。
人に会って、挨拶代わりに
「暑い、寒い」
と切り出すようになったら老化の始まり。
・気の利いた挨拶ができなくなるのは、
要するに老化現象の始まりなのだ。
・「長寿の樹木は、2000年も生きると聞く。
その十分の一として、
わたしは人生200年を提唱している」
・笹川の持論は、
「50、60はまだつぼみ。
70、80は青二才。
90、100は働き盛り」だ。
・屋久島では、
五千年、七千年級の本物の縄文杉は、
特別に「岳杉」と呼ばれている。
岳杉は、古代エジプトでピラミットが築かれている時代に、
すでに堂々と海を越えて見下ろしていたことになる。
・縄文杉は世界の文明起源や、
生態系の移り変わりを、
静かに見守ってきた。
・「いかなる事業トラブルも、
人相手だと思えば腹も立つ。
天を相手と考え、台風には逆行せず
その間は岩陰でひと休み、の考えだ。
台風一過、順風に帆を揚げればよいのである」
・敵を欺くには敵をまともに相手にせず、
天を相手と思うくらいでないと勝てない、
と笹川は説く。
・天が相手であれば、
嵐のときは身を隠し、
晴れて追い風が吹いたら帆を揚げればいいではないか、
という軍略だ。
時の利、地の利をフル活用し、
ここぞと思ったときに乾坤一擲、
一本の矢を放てばライバルを倒せるのだと。
・若いときから相場を張ったり、
鉱山を売買して莫大な資産を生んだ、
笹川だからいえる必勝不敗の法則だ。
・「天を相手と思え」という観点は、
人生の戦いをあたかも『平家物語』にでも
重ねたように、気宇壮大である。
・勝機がくるまでは、
息を殺して待つのが事業成功の秘訣だと、
経験者は語る。
「驕れる者も久しからず」
は生きていた。
・「出処進退の仕方は人物の評価を決める。
勝手気ままで、自己中心主義者の進退ほど
見苦しいものはない。
その点、岸信介氏の政界引退は鮮やかだった」
・歴代首相にはそれぞれユニークな引き際がつきまとうが、
笹川によれば中でももっとも鮮やかな出処進退を見せたのは、
岸信介だったという。
※コメント
圧倒的な存在感と説得力。
笹川氏だからこそ、放てる至宝の言葉だ。
ぜひ、ひとつでも繰り返し実施したい。
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