◆富岡幸雄『税金を払わない巨大企業』を読み解く

 

 

※要旨


・税を徴収する政府からみれば、
消費税は徴税業務のための手間のかからない
「タックス・マシーン(自動集税装置)」となる。
まさに財政当局にとっては、
「打出の小槌」であり、「金の生る木」なのだ。


・課税逃れの手法として特徴的なのは、
「ダブル・アイリッシュ・ウィズ・ダッチ・サンドイッチ」
と呼ばれる複雑なスキームを使ったIT企業アップルや
グーグルの事例だ。
アメリカやアイルランドの法制度と、
オランダの租税条約を巧妙に活用し、
無形資産から生じるアメリカ外の使用料(ロイヤルティ)を
タックスヘイブンのバミューダに非課税で留保し、
必要に応じてアメリカ本社の
研究開発費用を賄う仕組みになっている。


・問題なのは、アメリカ政府に、
果たして本気で租税回避を取り締まる意向があるかどうか、
疑わしいことだ。


・アメリカのIT企業が、
国外で上げる収益の大部分を非課税で留保し、
アメリカの親会社のさらなる無形資産の開発に
活用するという仕組みは、アメリカ企業、
ひいてはアメリカ政府の巧妙な知財戦略といえなくもないが、
いかがでしょうか。


・国境をまたぐ節税戦略を利用する企業にIT企業が目立つのは、
ソフトをダウンロードする際の知的財産権の使用料を、
ライセンス(特許)の譲渡などによって、
低税率国の子会社に簡単に移しかえられる。
現在のデジタル経済に、
税制が追いついていない代表的な例だ。


・程度の差こそあれ、
多くの企業が税率の低い国や地域に利益を集め、
世界的スケールで税負担が軽くなる
タックス・プランニングを巧みに活用している。


・グーグルの法人税をめぐる問題は、
特許のライセンスをアイルランドに
移したのが節税戦略のキーポイントだ。


・グーグルの収入の大半は開発した技術の特許使用料で、
ネット広告がクリックされるごとに
特許の使用料収入も増える。


・確かに大企業といえども、
タックス・プランニング(節税戦略)によって
節税を図ることは、正当な権利だ。


・真に平和で、文化の香り高く、
世界から尊敬される素晴らしい企業社会と国家の姿を、
愛する日本で構築していきたい。


・税に70年近く携わり、
税を50年以上研究し続けて、
税の表も裏も知り尽くした私が、
日本の財政や税制を真に改革するための遺言として、
本書を記した。

 


※コメント
世界の企業の節税対策は凄まじい。
芸術的といえるスキームをつくり、
それを決行する。
いろいろな意味で勉強になる。


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