◆上念司『経済で読み解く大東亜戦争』を読み解く

 

※要旨


・本書の目的は、
「愚かな決断、判断の誤りは気の迷いから生じ、
気の迷いは経済的な困窮に誘発される」
という壮大な仮説を検証することだ。


・その検証に最も有効なツールが、
「ジオ・エコノミクス(地政経済学)」だ。
ジオ・エコノミクスとは、
経済を一つの手段として相手国を
コントロールする戦略を研究する学問だ。


・「植民地」は「海外投資」である。


・戦争は軍隊だけでできない。
軍隊を維持し、活動を続けさせるためには兵站が必要であり、
兵站を維持するのはその国の経済力だ。


・独裁国家であろうと、民主国家であろうと、
経済は国民によって支えられている。
つまり戦争の遂行は国民による支持が
なければ不可能であるということだ。


・本書で見てきた歴史のパターンは、
経済的な混乱が人々の生活を困窮させ、
その状況を打破するために極端で危険な考え方が、
支持されるようになるというものだ。


・極端で危険な考えが、
「明治維新」のように国家を発展させる場合もあれば、
「対米開戦」のように国を滅ぼす愚かな決断に
つながる場合もある。
それは経済でいうところの、
プロジェクトのリスクとリターンの関係にも似ている。


・「衣食足りて礼節を知る」
とはよく言ったものだ。
政府は常に国民が変な気を起こさないように、
経済的な停滞が長期化しないために、
最善を尽くさなければならない。


・正規軍が対峙して弾を撃ち合う戦争は終わった。
戦争なのか、テロなのか、
犯罪なのか判然としないグレーゾンのなかに、
様々な意図が隠されている。


・降りかかる火の粉を払いつつ、
国民の安全を守る。
終わりのない戦いが今日も明日も永遠に続くのだ。
問題を一挙に解決するような危険思想に
流されることなく、
真に国民の経済厚生を高める政策が
採られることを期待したい。

 

※コメント
経済と国際情勢は繋がっている。
どちらか一方ではなく、
両方をきちんと理解することが肝要だ。


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