◆冨山和彦『30代が覇権を握る・日本経済』を読み解く
※要旨
・決断とは一部に犠牲を強いることだ。
できない人にリーダーの資格はない。
有事に判断を先送りする人間が、
平時に決断できるわけがない。
・少なくともかなりの決心、覚悟を持って勉強し、
かつ実戦で挫折を繰り返さなければ、
本当の力はつかない。
若い人たちは、とりあえず身近な問題から、
骨惜しみせず、小さな修羅場に身を置いてほしい。
・「抜けている」リーダーの決断力。
リーダーは少し「抜けている」くらいがいいのである。
妙に頭が切れすぎていたり、知的に精緻すぎると、
たいてい決断できない。
・イノベーションとか規制緩和の話をするときは、
頭の中を少し雑にして、
深く考えすぎないほうがうまくいく。
リーダー自身が細かなところにこだわり出すと、
キリがないからだ。
・政治家でも、非常に頭が切れて、
知性も高くて人格者という人は、
なかなか大胆な制度改革に踏み切れない。
優等生的な知力というのは、
えてして決断の妨げになる。
・もしかすると、
「小泉純一郎元首相がバカに見えた」
という人がいるかもしれない。
産業再生機構時代、
小泉さんの部下の一人として働いた実感として、
そういう人には、
「小泉さんはバカのふりができたから改革できたのだ」
と答えておこう。
・小泉さんに細かい話をごちゃごちゃしていると、
面倒くさそうに「たいしたことはない」
という答えが返ってくる。
面倒くさいと思っているということは、
それは重要ではないと分かっているということだ。
・その裏返しで、重要と感じている問題については、
じつに簡潔で明快な指示がパッと出てくる。
ほとんど彼の本能的な直感が
言わせているとしか思えないスピード感で。
・ある種の問題、特に権力を使いこなす技術、
マキアベリスティックな感性が関わる問題については、
じつに繊細でシャープなセンスに感服することが、
少なくなかった。
その一方で政策マターに関しては、
あえて鈍感に振る舞っているがごとく、
大胆で大雑把な決断が下りてくる。
このコントラストが、ある種、痛快でさえあった。
・とにかくリーダーには、
ある種、大雑把な部分がないと、物事はうまくいかない。
リーダーがいちいち細かく手当てをしたら、
物事はそこで止まってしまう。
いまどき本当の改革をやろうとすると、
必ず不利益の再分配をやらざるを得ない。
それをやり切れるかどうかは、
いわゆる頭の良い悪いよりも、
もっと根本的な人間的器量、
性格のほうが本質的な意味を持ってくるということだ。
・変革期こそ、大雑把に、乱暴に。
リーダーの大胆な決断はそこから生まれる。
・文系の学生には、必ず簿記を学ばせるべきだ。
仕訳ができて、エクセルで複雑な演算を計算するとか。
経営の数字が読めて、電卓をブラインドで素早く打つ。
さらにはビジネス文書が書けて、
ネットで必要な情報にアクセスして、
パワーポイントでプレゼンができるように。
・パソコンや最新ITデバイスを使いこなし、
ネットのリテラシーを高め、
コミュニケーション能力を磨き、
英文メールを読み書きし、
正しい契約の知識を身につけよ。
※コメント
多種多様な冨山さんの話は参考になる。
どの年代も自らを精進するべきである。
あらためてそのことを実感した。
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