◆小山昇『無担保で16億円借りる銀行交渉術』を読み解く

 


※要旨


・「あと1日ある」「あと何時間ある」、
「あと何分ある」と思えば、前に進める。
「まだ、なんとかなる」
という強い気持ちが、会社を変えていく。


・悪いのは銀行ではなく、
むしろ無知な社長である。


・お金は「借りるもの」ではなく「買うもの」。
1000万円借りるのは、
「1000万円を借りるサービスを、
金利をつけて買っている」
と考えるのが基本だ。


・メガバンクとしてみれば、
多数の中小企業にお金を貸すより、
信用力の高い大企業に一括で貸すほうが手間もなく、
安全だ。
融資先の社員数が多ければ、
給振口座(給与振込)も確保でき、
手数料収入にもつながる。


・冷静に考えれば、
「不安定な中小企業より、安定した大企業にお金を貸す」
のは、至極もっともなこと。
「中小企業にまでお金が回らない」
のも、別段驚くことではない。


・企業の2代目、3代目はよく勉強しているし、
ITにも詳しい。
けれど、コミュニケーションスキルが低く、
営業力も不足気味。
人にだまされやすい一面もある。
つまり、人間的に弱くて、脆い。


・銀行を自社のチェック機関に活用する。
銀行にブレーキの役割を持たせる。


・社長は撤退ができて一人前。


・社長は「いまが最高の状態」と思ったとき、
努力を忘れる。


・目先の金利より、
借りられる額に目を向ける。
事業の目的は、
お客様の数を増やすこと。


・現金は明るさの象徴。
明るく強い会社を作りたいなら、
現金を持つこと。
「額を持つこと」が大切。


・金融業界では、実質金利のことをジッキンと呼ぶ。
「ジッキン」と聞いただけで、
担当者は震え上がり、「この社長は強かだ」
と認める。


・最初の融資は「お見合い」のようなもの。


・かつて銀行には「サムライ」がいた。
自ら現場に出向く支店長も、
優秀な支店長だ。
現場に出るのは、
部下とのコミュニケーションが良い証拠。
いつも銀行にいる支店長は、現場を知らない。
現場を知らないから、
融資先の実態をつかめない。


・定期的な銀行訪問こそ、
信用を勝ち得る最良手段。
借りたお金の使い道を報告する義務がある。


・銀行訪問では、「数字」を報告する。
銀行訪問には、
幹部社員を同行する。


・新規の飛び込み営業を追い返してはいけない。
最終的に「融資するか、しないか」を判断するのは、
銀行本店の審査部だ。
稟議が通らないこともある。
ところがこのとき、
「融資したくなる資料」が添付してあると、
かなり高い確率で融資が決まる。


・「融資したくなる資料」とは何か。
弊社「武蔵野」では、
経営計画書と経営計画資料、
そして「他行の提案書」を利用する。


・「他行の提案書」は、
本店の審査部を説得する最良の資料だ。


・「なんの用事もない」のに、
支店長が訪ねて来ることはない。
真実は現場にしかない。
取引のある支店の支店長が、
ふいに来社するときがある。
「宝くじを買っていただこうと思って・・」
「カレンダーをお持ちしました・・・」
「新年のご挨拶にお伺いしました・・・」


・支店長は、
「この会社にお金を貸して大丈夫か」
をチェックしに来るのだ。
銀行は「現場」を見ないで貸し出しすることはない。
優秀な支店長ほど「現場」を見ている。


・優秀な支店長は、
「真実は現場にしかない」
ことを知っている。
現場で働く社員、パート、アルバイトはごまかせない。
支店長は、会社が明るいか暗いか。
きちんと挨拶ができているか。
環境整備が行き届いているか。
社長が不在のときの対応はどうかなど、
「その会社の真実」を自分の目で確かめようとする。


・支店長に経営計画資料を「さりげなく」見せる。
新規取引の営業に来られた支店長には、
「武蔵野」の経営計画書と経営計画資料をお見せする。
長期資金運用計画や長期財務分析、
各銀行の借入額や格付け指数が掲載されているので、
銀行が融資を検討するうえで、重要な資料だ。



・「打つ手がない」と思えるのは、
社長の経験値が低いから。


・銀行とは、ルールを守って付き合う。
「接待はしない」
「恩は売らない」が基本。


・ランチェスター戦略では、
「訪問回数が多いほど営業力が高まる」
「7回訪問すれば、相手はイエスと言う」
と考えられる。


・命の次に大切なお金のことを知らないで、
つまり、B/Sを見ないで経営を行うのは、
鉄砲を持たないで戦争に行くようなもの。
勝てっこない。


・会社が潰れる最大の原因は、
社長が「資金音痴」だからだ。
それに尽きる。
資金音痴の社長は、P/Lベースで経営計画を作ってしまう。


・社長が現場に出ない会社は、倒産しやすい。


・比較貸借対照表をつくると、
数字に強くなれる。
短冊に、社長自ら数字を書き込むべし。
社長がB/Sの知識を身につけるだけで、
会社の格付けが上がる。


・経営は逆算が正しい。
最初に経常利益を決める。
経常利益の目標額は、適当に決める。


・何事も逆算したほうがうまくいく。
経営計画も逆算が基本。
最初に結果(来期の利益目標)を決めてから、
結果を得るための手段を決めていく。



・経常利益の数字は、
「適当に決める」のが正しい。
根拠も、正当性もいらない。
社長が「いくらほしい」と決めればいい。


・正確さは二の次。
経営計画は、速く作るのが正しい。
「武蔵野」の経営計画は、
いい加減につくられている。


・いい加減な計画でも、ある会社とない会社では、
天国と地獄ほどの違いがある。
長期経営計画は、
「5年後に倍増」を目指す。


・経常利益は、
新規事業、社員教育、インフラ整備の順に使う。


・融資を受けられないのは、
経営が不透明だから。
銀行には、良いことはもちろん、
悪いことも報告する。


・パーティ会場の外を見れば、
会社の実態がわかる。
事実だけを丸見えにするから、
信頼を得られる。

 

※コメント
小山氏の地道な努力と勉強ぶりには恐れ入る。
たとえ中小企業といえども、
いろいろな工夫と努力によっていろいろ展開できる。


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